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膵癌診療ガイドライン 2009年版 1

「科学的根拠に基づく膵癌診療ガイドライン 2009年版」「膵癌取扱い規約 2009」が発刊されました。

変更点は

1.第1版の作成担当母体が日本膵臓学会膵癌診療ガイドライン作成小委員会であったが、今回は日本膵臓学会膵癌診療ガイドライン改訂委員会となった。
2.最新のエビデンス追加は、第1版出版後の新しいエビデンスの系統的検索を行い、さらに現在の日本の実臨床を勘案して推奨文を作成した。

CQ1-1  膵癌の危険因子は何か?

1. 危険因子を複数有する場合は、膵癌検出のための検査を行うよう勧められる。グレードB

2. 膵管内乳頭粘液性腫瘍 (IPMN)は癌へ進展することや膵癌を合併することがあるので、的確な診断と慎重な経過観察が勧められる。グレードB

膵癌患者の4-8%は家族歴に膵癌ある。(対照群に比べ13倍と高率)

遺伝性膵炎、家族性家族腺腫ポリポーシス、Peutz-Jeghers症候群、familial multiple mole melanoma症候群、家族性乳がんなどの遺伝性疾患では膵癌発生率が高い

膵癌患者の既往歴では糖尿病が25.9%と最も頻度が高い。本邦では糖尿病歴のある患者で危険率は1.85倍。(多くの報告ではおおよそ1.8-2.1倍である)

肥満や過体重は膵癌危険率を増加させる。BMJ30以上では1.8倍

慢性膵炎の膵癌発生の相対的危険度は4-8倍。

IPMN 0.95-1.1%/年

喫煙は膵癌の危険率を2-3倍に増加させる。男性では禁煙により膵癌の22%は予防できる。

CQ1-2 膵癌の臨床症状は何か?

1. 他に原因のみられない腹痛、腰背部痛、黄疸、体重減少は膵癌を疑い検査を行うが(グレードB)、有症状の場合は進行癌が多い。 

2. 急激な糖尿病(糖代謝障害)の発症や悪化は膵癌合併を疑い、検査を行う(グレードB)。特に糖尿病発症後3年は注意を要する。 

頭部癌で症状の発現率が最も高く、黄疸63%, 腹痛64%, 体重減少53%

体部癌では腹痛が93%と最も高い。 

膵癌患者187例の検討で先行2年以内の糖尿病発症が52.5%と高い。

50歳以上の糖尿病初発患者2122名の約1%が3年胃内に膵癌を合併。 

55歳以上の糖尿病初発群で、血糖、血中膵酵素、腫瘍マーカー、US所見でいずれかの異常を認めた時点で内視鏡的逆行性膵管造影を行った所、13.9%が膵癌と診断。

CQ1-3 膵癌を疑った場合、まず行うべき検査は何か? 

1. 血中膵酵素は膵疾患診断に重要だが、膵癌に特異的ではない。グレードC1

2. CA19-9を含む腫瘍マーカー測定は膵癌診断や膵癌フォローアップに勧められる(グレードB)が、早期膵癌の検出には有用ではない。グレードC1

3. USは膵癌の最初のスクリーニングに勧められる(グレードB)が、検診での検出率は低い(グレードC1)。主膵管の拡張や嚢胞が膵癌の間接所見として重要である。(グレードB)。このような所見がみとめられた場合は、すみやかにCT検査をはじめとする検査を行うことが強く勧められる。(グレードA)

4. 上記検査で異常所見が認められるも膵癌の確定診断に至らない場合には、以後の定期的な検査と慎重な経過観察が勧められる。グレードB

通常の職場検診でのUSによる膵画像の有所見率は約1%で、膵癌発見率は約0.06%以下と低い。

CA19-9 70-80%, Span-1 70-80% Dupan-2 50-60%, CEA 30-60%, CA50 60%

膵癌検出につながる間接所見として、主膵管の拡張(2mm以下)や嚢胞が膵癌の前駆所見(レベルⅢ)が考えられ、このような所見がみられた場合は、速やかにCT検査をはじめとする次のステップへ診断を進めるべきである。

CQ1-4 膵癌を疑った場合、次に行うべき検査は何か?

1. 膵癌の治療方針決定のためには質的診断が必須で、行うよう強く勧められる。グレードA

2. 膵癌はUS及びCT(造影が望ましい)を行い、必要に応じてMRCP, EUS, ERP, PETを組み合わせるよう強く勧められる。グレードA

・2cm以下の病変では腹部超音波で感度57%, 単純CTで50%。造影CTで70%前後。

その他の検査として

・MRCPは感度95%、特異度82% 正常な膵管像を呈する膵癌は3%未満。

・EUSは感度86-100%, 特異度58.3-97%

・PETは感度82-95%(2cm以下では68.8%)

CQ1-5 膵癌における細胞診、組織診の適応と意義は?

1. 各種の画像検査により膵腫瘤の質的診断がつかない症例では、治療開始にあたり組織もしくは細胞診による確定診断が望ましい。確定診断法として超音波ガイド下穿刺吸引細胞診・組織診、ERCP下膵液細胞診、ERCP下組織診などがあり、患者と施設の状況から適切な方法を用いる。グレードB

2. 超音波内視鏡下穿刺吸引細胞診は腹部超音波検査やCTなどで腫瘤を捉えることが困難な病変に対しても有用である。グレードC1

3. 遺伝子検索は細胞診・組織診の補助的診断として有用である。グレードC1



科学的根拠に基づく膵癌診療ガイドライン 2009年版科学的根拠に基づく膵癌診療ガイドライン 2009年版
(2009/10)

膵癌取扱い規約膵癌取扱い規約
(2009/07)
日本膵臓学会





[ 2009/12/25 11:06 ] 膵臓 すい臓癌 | TB(0) | CM(0)
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