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膵仮性嚢胞 5

4.外科的治療

4-1.外科的治療の適応は?

保存的治療および内視鏡的治療の非奏功例、内視鏡的治療の不適格例が外科的治療の適応である。
内視鏡的治療の不適格例とは、出血・感染などを合併した症例、解剖学的に内視鏡的治療が困難な有症状例、静脈瘤が存在する有症状例、悪性疾患が考慮される症例などである。
内瘻術は嚢胞壁が消化管壁との吻合に耐えることができ、嚢胞内容が感染していない場合に、外瘻術は嚢胞壁が未成熟な場合、感染嚢胞、一般状態不良な患者に対して行われる。
切除術は悪性腫瘍の合併が考えられる場合、局在などから内瘻術・外瘻術が不可能な場合に行われる。


膵仮性嚢胞の治療に関して、保存的治療、内視鏡的治療、外科的治療を比較した無作為試験、前向き試験は存在しません。
そのため膵仮性嚢胞の治療は、成因、大きさ、症状、随伴所見などにより、個別に検討する必要があります。
無症状症例は治療の対象になりませんが、有症状で自然消退が期待できない例には、まず侵襲の少ない内視鏡的治療を考慮します(自然消退についてはⅠ―4を参照)。
積極的治療の対象になるのは「large(大きな)」「persistent(持続する)」「complicated(合併症のある)」症例です。
内視鏡的嚢胞ドレナージ治療の不適格例は、出血・感染などを合併した症例、胃・十二指腸と嚢 胞の距離がある症例、静脈瘤が存在する症例、悪性疾患が考慮される症例などで、これらの症例が外科的治療の適応になります。
切除術の適応となる仮性嚢胞は、尾部病変で他の方法でのアプローチが困難かつ(体)尾部切除が容易な場合、出血例などが挙げられますが、通常、切除術は周辺臓器との癒着が高度で困難なことが多いとされています。
近年では内視鏡的ドレナージでも壊死物質を含む嚢胞や感染性嚢胞に対してアプローチする報告も見られており、今後、適応が変化する可能性があります。

4-2.外科的治療の手技は?

原則的に内瘻術が行われるが、外瘻術・切除術が適応になる症例もある。
低侵襲を考慮した腹腔鏡下手術も治療の選択肢となる。
慢性膵炎由来の膵仮性嚢胞では、膵管減圧術のみ行うこともある。


膵仮性嚢胞の治療は従来外科的治療のみが選択しうる唯一の手段であったが、内視鏡的治療の進歩、腹腔鏡下手術の出現で大きく変貌しました。
しかし、外科的治療の果たす役割はいまだ大きく、そのgold standard は内瘻術(嚢胞胃吻合術、
嚢胞十二指腸吻合術、嚢胞空腸吻合術)です。
外瘻術は主に感染合併症例、嚢胞壁の菲薄な症例に行われ、多くは急性膵炎由来の膵仮性嚢胞が適応となります。
しかし、外瘻術が行われる症例は、感染性膵壊死症例や膵膿瘍症例であり、いわゆる膵仮性嚢胞ではないことが多い点は注意すべきです。
切除術(膵体尾部切除術、幽門輪温存膵頭十二指腸切除術、十二指腸温存膵頭切除術など)は、仮性動脈瘤合併例、出血例、胆道狭窄(閉塞)例、十二指腸狭窄例、多発小嚢胞例、悪性疾患合併例など限られた症例に行われます。
近年、膵領域でも適応されるようになった腹腔鏡下手術で、膵仮性嚢胞に対する内瘻術(嚢胞胃吻合術、嚢胞空腸吻合術)、外瘻術が行われることがあり、通常の開腹術と同等の治療成績とされています。
また、鏡視下に胃内から吻合を作成する胃内手術も報告されています。

4-3.外科的治療の成績は?

開腹術では嚢胞空腸吻合術が行われる頻度が高く、合併症率13.6-18.9%、死亡率0-2.5%とされている。
腹腔鏡下手術では嚢胞胃吻合術が施行される頻度が高く、合併症率4.8-8.3%、死亡率0%とされている。


開腹術に関するレビューでは、手術方法は嚢胞胃吻合術107 件、嚢胞十二指腸吻合術28 件、嚢胞空腸吻合術186 件で、奏効率がそれぞれ90%、100%、92%、全体の合併症率16%、死亡率2.5%であったとされています。
同時期の内視鏡的治療成績は、17 件(466 例)のケースシリーズのレビューで合併症率13.3%、外科治療を要した症例15.4%、死亡率0.2%と報告されていますが、症例の背景が異なるため、これらを単純に比較することはできません。
急性膵炎後の膵仮性嚢胞72 例のケースシリーズでは、12 例が保存的に軽快、15 例に内視鏡的治療、10 例に経皮ドレナージ、37 例に外科的治療(内瘻術35 例、切除術2 例)が行われ、外科
的治療の成績は合併症率18.9%、死亡率0%で、成因により治療成績が異なる可能性を示唆しています。
また、慢性膵炎による膵仮性嚢胞103 例に対して56 例に膵管空腸吻合術+嚢胞ドレナージ (内瘻術)を、47 例に膵管空腸吻合術のみを行い、合併症率13.6%、再手術率 0%、死亡率0%と良好な手術成績から、膵仮性嚢胞に対する治療としては膵管減圧術のみで十分であるとされています。

腹腔鏡下手術に関するケースシリーズのレビューでは、10 件104 例(嚢胞胃吻合術78 例、嚢胞空腸吻合術11 例、嚢胞十二指腸吻合術1 例、外瘻術13 例)を行い、合併症率4.8%、再発率1.9%、死亡率0%と報告されています。
最近の報告では、膵仮性嚢胞手術108 例(腹腔鏡下嚢胞胃吻合術90 例、腹腔鏡下嚢胞空腸吻合術8 例、腹腔鏡下外瘻術8 例、開腹嚢胞胃吻合術2 例)で、合併症率は全体で8.3%(腹腔鏡下嚢胞空腸吻合術2.2%、腹腔鏡下嚢胞空腸吻合術1.3%、7 腹腔鏡下外瘻術75%)、再発率0.9%、死亡率0%とされています。

4-4.外科的治療の偶発症は?


術式にかかわらず最も注意すべき偶発症・合併症は出血である。
術後合併症としては、出血、腹腔内感染、腹腔内膿瘍、膵瘻の頻度が高く、
外瘻術では膵外瘻(膵液排出遷延)の頻度が高い。


外科的治療の偶発症・合併症で最も重要なのは出血です。
膵仮性嚢胞症例では炎症による門脈狭窄(閉塞)、脾静脈狭窄(閉塞)で側副血行路の発達した
症例、仮性動脈瘤を合併する症例がみられ、術中操作に術中超音波検査を用いるなど十分な注意が必要とされています。
術後出血は、吻合部出血、潰瘍形成、仮性動脈瘤形成などにより起こり、その頻度は開腹手術で4.5-10.8%と報告され、慢性膵炎由来のものより急性膵炎由来の膵仮性嚢胞で多い傾向にあります。
膵管空腸吻合術103 例のシリーズでは術後出血はなく、腹腔鏡下手術では1.8-1.9%の術後出血率が報告されています。

4-5.外科的治療の予後は?

外科的治療後の膵仮性嚢胞再発率は開腹術で2.6-18.8%、腹腔鏡下手術で 0.9-1.9%と報告されている。
外科的治療後4.8-11 年の経過観察で10.7-38%の症例が死亡している。


手術別にみた膵仮性嚢胞再発率は全体で8.6%(嚢胞胃吻合術12.2%、嚢胞十二指腸吻合術0%、嚢胞空腸吻合術8.3%)となっています。
なお、再発率に関しては、急性膵炎由来と慢性膵炎由来で大きな差はなく、2.6-18.8%と報告されています。
外科的治療を受けた112 例を平均4.8 年追跡したケースシリーズでは12例(10.7%)が死亡しており、55 例を平均11 年間追跡したケースシリーズでは、21 例(38%)が死亡したとされています。
慢性膵炎症例の平均余命は健常者より有意に短いことが知られています。
厚生労働省難治性疾患克服研究事業で1994 年に行われた慢性膵炎全国調査では、2006 年に予後調査を行い追跡可能であった703 例中265 例(36.4%)が死亡しており、外科的治療の影響というよりは慢性膵炎の病態を反映していると考えられます。

[ 2009/06/18 20:30 ] 膵臓 いろいろ | TB(0) | CM(8)
慢性膵炎の寿命
最近の調査でも慢性膵炎の寿命ってそんなに悪いんですね。
ちょっとショックです。
いろいろなブログ読んでますが、途中で途切れてる所も多いです。
amylaseさんは頑張っていつまでも続けて下さいね。
[ 2009/06/18 21:12 ] [ 編集 ]
こんばんは、ジェーンさん
確かによくなりませんね。
他国とは違って日本は患者数も増えているし、民族的な特徴として膵臓が弱いのでしょうね。
逆に言えば少しの脂肪分でエネルギーを産出できる優秀な身体なのですが。

ありがとうございます。身体と相談しながらですが、もう少しがんばりますね。
[ 2009/06/19 00:29 ] [ 編集 ]
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[ 2009/06/19 05:57 ] [ 編集 ]
外科手術の不適応(^-^)☆
amylaseさま☆

ねこみみも 劇症膵炎のときに
仮性膿疱がふたつ みっつ出来ていまして、
その 最初の対応の時に 先生もいっとき 外科手術を設定して考えておられました☆
だが、こういう リスクがある☆
なので、現在のところ ずっとERCPで もたせてもたせて来ております☆
ですが これも 膵炎自体が消失しないかぎり
寿命に影響することは否めないということは 先生の持っているデータからも証明されております(^-^)

今いる、
猫よりは長生きしないと・・・(^-^)

なんとか・薄命なはずの、
ねこみみ(^-^)
[ 2009/06/21 13:51 ] [ 編集 ]
Re: よそもの
BLUEに入ってましたね。よそ者。

俺たちよそ者 何処に行ったって
だからさ そんなに
親切にしてくれなくてもいいのに

武道館ではあまりやらなかったのですが、野音ではよくやってました。
夕暮れに良く似合った曲でしたね。

また、気軽にコメントを寄せていただけたらとてもうれしいです。
[ 2009/06/26 01:05 ] [ 編集 ]
Re: 外科手術の不適応(^-^)☆
> なんとか・薄命なはずの、
> ねこみみ(^-^)

(笑)、美人の嫁をもらった男は苦労が多くて早死にするというのが正しい使い方らしいですよ。
膵炎の3~4割に出来るとは仮性のう胞も珍しい疾患ではなくなって来たようですが、
なかなか研究が進みませんね。
[ 2009/06/26 01:13 ] [ 編集 ]
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[ 2009/06/28 11:29 ] [ 編集 ]
Re: よそもの2
派手なステージと裏腹にナイーブな少年のような人でしたね。
清志郎追悼本が続々と出ていますが、一時チャボと離れていたときの手紙のやり取りは本にして欲しいですね。
あのときは、それだけが目当てで買っていました。
[ 2009/06/30 10:34 ] [ 編集 ]
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