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膵仮性嚢胞 3

Ⅲ.治療

1.どのような症例を治療するか?

原則として腹痛、感染などの有症状例を治療対象とする。増大例、仮性動脈瘤破裂などの危険が予想される場合も適応が検討される。腫瘍性病変に合併した仮性嚢胞も治療の対象である。

仮性嚢胞はかなりの頻度で自然消退することが知られています。
無症候性の膵仮性嚢胞についても,75 例の検討において、36 例(48%)で経過観察を行い、平均1 年の観察期間の間に36 例中21 例(60%)で自然消失が得られ、14 例で不変もしくは縮小が観察されたとされています。
経過観察中、重篤な合併症の発生も低率であることが知られるようになってきています。
以前は大きさ(直径6cm 以上)も適応の決定に用いられていましたが、大きさをもって適応を決定するという意見は減少しています。
感染を合併する場合には、より早い段階で介入が行われ、増大例、仮性動脈瘤破裂などの危険が予想される場合も治療的介入が考慮されます。
当然のことながら、他の嚢胞性膵疾患と鑑別することが最重要です。

2.治療法にはどのような方法があるか?その選択は?


薬物療法、IVR(US/CT ガイド下経皮的ドレナージ)、内視鏡的治療、外科手術がある。選択に関して確立されたコンセンサスはない。

膵仮性嚢胞の薬物療法としてソマトスタチン誘導体であるoctreotide acetate を用いた報告がありますが、ごく少数例での報告で、さらなる検討が必要とされています。

各治療法の比較試験の成績について報告がなく、エビデンスに基づいた治療法の選択は困難な状況である。
経皮的ドレナージは奏効率、偶発症、再発率からみて不十分な点があることから現在、第一選択とはしない傾向にあります。
内視鏡的治療と外科手術は手技的成功率、偶発症発生率、再発率からみて同等の成績が報告されています。
侵襲性を考慮してまず内視鏡的治療を行い、効果が不十分な場合に外科手術をすることが、ある程度受け入れられているようです。

3.内視鏡的治療

A-1.経消化管的治療の適応は?


消化管壁との癒着が完成し、嚢胞壁が安定化した仮性嚢胞がよい適応である。

消化管壁と仮性嚢胞が癒着している場合に、経胃もしくは経十二指腸的に内視鏡的に仮性嚢胞をドレナージすることが可能です。
特に、慢性膵炎急性増悪後の急性仮性嚢胞であれば網嚢が嚢胞腔となることが多くこの場合は胃壁が嚢胞壁を形成するため経胃的ドレナージの良い適応であるとされています。
消化管から密着した部位を選択できない場合には、穿孔の危険があるので選択すべきでないとされています。
EUSの登場により穿刺ドレナージが可能な対症例がひろがっており、以前は嚢胞内容に壊死物質の存在が疑われる場合は奏功率が低下し、偶発症発生率が上昇するとして、外科手術の適応とさ
れてきた症例にも内視鏡的治療が試みられています。
ただし、これらの報告例は熟練した内視鏡医による成績であり、普遍化には慎重であるべきで、外科、時には放射線科のバックアップのもとに行う必要があります。

A-2.経消化管的治療の手技は?

経消化管的内視鏡的ドレナージの方法には、内視鏡直視下ドレナージEUS ガイド下嚢胞ドレナージがある。内視鏡直視下ドレナージでは術前にEUS にて嚢胞を観察した後に行う方法もある。

近年、EUS の普及に伴いEUS ガイド下嚢胞ドレナージの報告が多くなっています。

A-3.経消化管的治療の成績は?

経消化管的嚢胞ドレナージの成績は65~85%と比較的良好な結果が報告されている。

膵仮性嚢胞の内視鏡治療の成績については、内視鏡直視下ドレナージ、EUS ガイド下ドレナージ、経乳頭的アプローチを一括して報告されているものがほとんどですが、その成功率は65~89%です。
これら3 つの手技について比較検討した報告によると、成功率に差がないとするものが多く出されています。
内視鏡治療の成績については、嚢胞の成因を考慮していないものが多いが、慢性仮性嚢胞が慢性膵炎急性増悪を含む急性仮性嚢胞に比して治療成績は良好であったとの報告があります。

A-4.経消化管的治療の偶発症は?

膵仮性嚢胞の内視鏡治療の偶発症として、出血、嚢胞感染、穿孔、ステント迷入逸脱が主に挙げられる。頻度は低いが他臓器の誤穿刺の報告も認める。
発症全体の発生頻度は0~21.9%と幅がある。


文献的にみた経消化管的治療の偶発症の発生頻度は、出血(3.3~18.2%)、嚢胞感染(0 ~
17.9%)、穿孔(0~5.8%)、ステント迷入・逸脱(3~5.8%)89)、報告されています。
通常の内視鏡を用いた経胃的穿刺によるドレナージ法では、基本的には嚢胞に対してはブラインドでの穿刺となるため、15%を超える高い偶発症発生率が報告されています。
一方、EUS 画像をガイドとする穿刺ドレナージでは、11%程度の偶発症発生率が報告されていますが、内視鏡的にコントロールができなかった出血は1%以下とされています。
経消化管的治療における穿刺方法(通電針を用いるか、非通電針を用いるか)によっても偶発症発生には差がみられ、双方の治療成功率には差が見られなかったものの、通電針の場合の出血率は15.7%であった一方で、非通電針では4.6%の出血率であったとの報告があります。

A-5.経消化管的治療の予後は?


経消化管的治療全体の初回治療成功例における再発は稀であり、予後は良好である。なお、内視鏡直視下ドレナージとEUS 下ドレナージで長期成績に有意な差を認めていない。

経十二指腸的治療は経胃的治療よりも長期成績は良好である。

膵仮性嚢胞に対する経消化管的治療全体での長期成功率は62%から92%と報告されていますが、慢性膵炎に伴う仮性嚢胞の初回治療成功例では平均6 か月から48 か月間の経過観察で再発は極めて稀とされています。
経胃的治療と経十二指腸的治療との比較では長期成功率はそれぞれ36-62%、73-83%との報告があり、経十二指腸的治療は経胃的治療よりも長期成績が良好です。

[ 2009/06/18 18:56 ] 膵臓 いろいろ | TB(0) | CM(0)
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