スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

[ --/--/-- --:-- ] スポンサー広告 | TB(-) | CM(-)

膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)

膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)についてのアクセスが多いので、少しでも参考になればと、「IPMN/MCN国際診療ガイドライン 日本語版・解説」「画像所見のよみ方と鑑別診断―胆・膵」の出版元「医学書院」さんでの当時の対談から「IPMN」についての部分を抜粋してみました。

山雄健次氏(愛知県がんセンター中央病院 消化器内科部長)
田中雅夫氏(九州大学大学院教授 臨床・腫瘍外科)

田中雅夫氏は第40回日本膵臓学会大会でも、IPMN/MCN国際診療ガイドライン改訂に向けて(指定) -嚢胞性膵腫瘍委員会の活動報告を行われます。

日本でしかできないIPMNのエビデンス発信を

田中 MCN(mucinous cystic neoplasms)は対処の仕方も決まっており、あまり疑問を感じなくてすみます。一方、IPMNは、ガイドラインは出ましたが、概念そのものがそれほど普及していません。そしてガイドラインを読んでいる人たちも、管理についてはまだまだ迷いながらやっている状況だと思います。

山雄 IPMNも、日本では大橋計彦先生、高木國夫先生が粘液産生膵癌という名前を提唱され、いくつかの変遷を経てIPMNとなりました。粘液産生膵癌の原点は、乳頭開口部が大きく口を開けて、そこから粘液が排出されること。主膵管に狭窄がないのに、びまん性に非常に拡張していることでしたが、IPMNと名称が変更されてから、粘液のことが忘れ去られてしまったように思います。

 アメリカは、ERCPはあまり行われず、IPMN診断の際、EUSで穿刺して、それで粘液か、粘液でないか、あるいは良悪性を診断することが、現実に行われているといいます。

 日本で同じことをすると癌が播種するといわれ、ひどく叱られます(笑)。私も、これに関しては絶対に反対で,『IPMN/MCN国際診療ガイドライン』の作成時、「穿刺をして情報を取れ」と外国の先生から強硬に言われましたが、私どもも強硬に反対した経緯がありました。

田中 最終的に穿刺し情報を取ることは入れませんでしたが、アメリカでは確かに穿刺を普通に行っています。IPMNを穿刺し、中のCEA(carcinoembryonic antigen)を測れば、癌では増えているというわけです。非常にダイレクトなエビデンスを早くつけなければならない医療経済上の理由もあるのではないでしょうか。

山雄 そういう医療事情も影響しているとは思いますが、原点に戻って、少なくとも最初の1回はERCPを行うことを勧めたいですね。ERCPは細胞診もできるのですから。乳頭を確認しないで、穿刺し、IPMNと診断するとは本末転倒だと思います。

田中 本ガイドラインはいずれ時機を見て改訂していくこととなりますが、その時には、アメリカから穿刺して、EUS- FNA(endoscopic ultrasonography guided fine needle aspiration:超音波内視鏡下吸引細胞診)でどう鑑別診断するか、どうマネジメントしていくかなどデータを揃えて出されるでしょう。それに対して日本の、特に消化器内科の先生方は、日本でしかできない綿密な経過観察を出していただきたいと思います。粘液を見つけ、大きくなってきた時にどこで癌が出てくるか、あるいは癌のサインがなく出てきているのがどのくらいあるのか。そういった綿密なフォローアップは、外国ではできていないのだと思います。ここは日本がきちんとデータを出していくべきところです。

 そうしてエビデンスが蓄積されコンセンサス・ガイドラインではなくて、エビデンス・ベイスド・ガイドラインにすることができる時代がくるだろうと思います。

山雄 もともと、IPMNの概念は日本で最初に報告されたのですから、日本の若い先生も、このガイドラインをしっかり読み、現時点でのコンセンサスを認識していただき、その上にエビデンスを築いて発信してほしいですね。

田中 粘液産生腫瘍に関しては、WHOに名前まで変えられてしまいましたが、まだまだ日本から発信すべきことはたくさんあると思います。若い先生方にも、ぜひがんばっていただきたいと思います。

IPMNは興味深いことに、マーカーの値で膵癌と区別することが難しいのです。
IPMNになった時点で、正常とは違うマーカーのレベルになっていることがかなりあります。
ですから、IPMNは前癌病態ということになります。
IPMNになった時点で、膵癌と同じような細胞を持っている。
それで、IPMNの良性と、膵癌になったものを区別すること、これが非常に難しいです。


山雄 IPMNの患者さんを登録して、プロスペクティブに診ていくことを、学会が率先して全国規模で行い調査結果を世界に発信することも考えられますね。これは、5年、10年と進行が遅い腫瘍ですから、調査には長い期間が必要ということも考えると、日本でしかできない調査かもしれませんね。

田中 それこそ、壮大なる計画になるでしょうね。考えてみないでもないのですが、膵臓学会は膵癌登録を行っていますし、数年前から嚢胞性腫瘍なども登録するようになりました。ただ、IPMNというのは、結論が出ていないままの患者さんたちがたくさんおられます。嚢胞があって様子をみている患者さんまで入れますと、膵癌の何倍にもなるでしょう。すべては無理ですが施設を限定して、やるべきことでしょうね。

超音波内視鏡検査(EUS)、超音波内視鏡下穿刺吸引術 (EUS-FNA)についても触れられていました。

田中 EUSは、得意・不得意があって、名人の域が必要な検査だろうと思います。以前、ERCPを行うには名人であることが必要だったようにです。EUSも、膵臓に関しては読む力が重要で、個人差がすごく大きなものだと思います。

山雄 検査体系として名人にしかできない検査はいけないと思います。EUSを標準化するために,EUSを積極的に行っている先生方と取り組んでおります。すでに発表し、冊子にもしていまして、これを普及させていきたいと思っています。

 それと、日本の医療事情では、1つの病院にすべての検査機器が入っていますが、欧米のように,ある種の検査はセンター化して患者さんを送ってもらい、診断して帰ってもらって、そこで治療を受けていただくというようなことも、考えていかなければいけないでしょうね。

田中 そうですね。特にEUSは、見る目が養われていないと見落としてしまい、鑑別すらできなくなってしまうことが多くあるかと思いますので、少なくともEUSについては“名人”のところで診てもらうほうがいいと思いますね。

山雄
 最近では,細胞を採る検査として、EUS下穿刺というものも普及してきました。膵癌も、治療の中心はもちろん手術ですけれども、抗癌剤治療、あるいは放射線と抗癌剤の併用療法も、よく行われています。ニーズも増えていますので、EUSのできる医師を,ぜひたくさん育てていきたいと考えています。

関連記事 : 腫瘍性膵嚢胞

[ 2009/02/28 21:30 ] 膵臓 すい臓癌 | TB(0) | CM(2)
こんばんわ、ご無沙汰しております。
その節は,大変お世話になりました。

以前にも,お話しした様に、父も,最初は、心臓のステント手術の前の,全身CTをした際、膵臓が可笑しい、と心臓手術の後、外科に廻され,精密検査をした所、「膵管内乳頭粘液性腫瘍」と診断されました。
その後、腫瘍マーカーでは、粘液性で在る為,限りなく黒に近い,グレー、、と。余りにも早期の場合、難しい診断らしいですね。
父の場合,即刻、手術を、、と言う事で,様子を見る,と言う選択は先生には無かった様ですが。

先日の,膵臓手術の件数、、大阪では、成人病センターが多い様ですね。
無理してでも,京大まで行けば、、と今頃、思ったりしています。

どちらにしても,本当に,厄介な臓器だと,言う事,思い知りました。

貴殿の,お加減は如何でしょうか??
呉々も,ご自愛下さい。
[ 2009/02/28 23:39 ] [ 編集 ]
まだむさん、お久しぶりです。

あれから、度々本館の方に寄せていただいていたのですが、お父上の転帰に際し、コメントを入れさせていただいて良いものかどうか迷ったままになっていました。
改めて、お悔やみ、そして介護のご苦労お察しもうしあげます。

お書きの通り、膵臓においては京大系の病院が全国的にみても抜きん出ているのと私も思います。
膵臓のようなマイナーで変わった臓器には関西系大学のユニークな発想とチャレンジ精神があっているのかもしれませんね。

薔薇ではありませんが、もうすぐ桜の季節ですね。
「ちる桜、のこる桜も、ちる桜」という詩がありますが、お父上もまだむさんさんを通じて多くの人に色々なことを残して下さったのではないでしょうか。

お心遣いありがとうございます。今年は入院しなくて良い年になるよう頑張っています。
落ち着けばメアリ女王のバラ園を見学に行きたいと思っています。
[ 2009/03/01 01:44 ] [ 編集 ]
コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
この記事のトラックバックURL
http://amylase.blog121.fc2.com/tb.php/629-a0ec9de7




最近の記事+コメント
BBS

Twitter Updates

    follow me on Twitter
    上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。