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帰郷者

帰郷者 (新潮クレスト・ブックス)

母子家庭で育ったペーターは、祖父母の家で古ぼけた小説を見つける。やがて、失われたページを探すうちに思いがけず明らかになる、父の行方、そしてナチスにまつわる過去――。戦争に翻弄された人々の、罪と償い。運命の波間に生まれた、いくつかの愛の形。

愛を読む人-the reader-』の原作、『朗読者』の作者ベルンハルト シュリンクの新作です。

母ひとり子ひとりの家庭で育った少年ペーターは娯楽小説の編集をしていたおじいちゃんとおばあちゃんのくれた校正刷りで、ロシアの捕虜収容所を脱走したドイツ兵士が故郷に戻ってくる、帰還兵の物語を読みます。
ペーターには父がおらず、母の稼ぎは少なく、しかも紙は高価だったため、裏の文章は読まないという約束でその紙の束をもらっていたのです。

~帰還兵カールが戻ってきて家のベルを鳴らすと、思い描いた通りの美しい妻が出てきます。
しかし、妻は見知らぬ小さな女の子を抱き、もう少し大きな女の子がぴったりよりそっています。
そして、隣には、ひとりの男が...~

しかし残った紙には、物語の断片しか残っておらず、肝心の結末部分がわかりません。結末部分を読むことができなかったペーターは、物語の結末を探し始めることになるのです。

物語の中心となるのは、作者も題名も分からない小説の断片。その断片をつなぎ合わせて読むうちに、ペーターはそれがホメロスの「ホメロス オデュッセイア」になぞらえられていることに気づきます。

小説の結末はどうなっているのか?小説を書いた人物は?などの謎とともに、死んだと思っていたペーターの父親が関係していることがわかってきます。
そして、父親がたびたび名前を変えていたことやナチスとの関係など意外な過去も明らかになっていきます。
事実の周りをぐるぐると回ってたペーターは、ある時いきなり核心に近づくのですが...

朗読者』同様にナチスのことや、その後の東西ドイツを隔てていた壁の崩壊などのドイツの歴史的瞬間が描かれてているのは、作者ベルンハルト シュリンクの定番です。

作者ベルンハルト シュリンクは元々ミステリー大賞出身なのですが、母親の嘘や父親の過去を解き明かしていくあたりは、いくつかの伏線が張られていて、まさによく出来たミステリーです。

ペーターは、恋人の元に戻る帰郷者となり、祖国も名前も捨てた父親との対比をじっとり感じさせる結末が『朗読者』の戦争の影が色濃く漂った結末にくらべてすこし余韻を含んだものになっています。


朗読者朗読者
(2003/05)
ベルンハルト シュリンク

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帰郷者帰郷者
(2008/11)
ベルンハルト シュリンク

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[ 2009/02/20 18:54 ] いろいろ 趣味 | TB(0) | CM(0)
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