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トリプシンインヒビター

トリプシンインヒビター、口から生まれたというマシンガン姉さんも噛んでうまくいえないので、最近ではトリプシンなんとかと呼びます。何とかってなんやねん。(笑)

膵分泌性トリプシンインヒビター(PSTI:pancreatic secretory trypsin inhibitor )

トリプシン(trypsin, EC.3.4.21.4)はおなじみですね。膵臓からトリプシノーゲンとして分泌され、膵液に含まれる消化酵素の一種です。膵臓や内臓を自己消化して膵炎を起こすあいつです。

インヒビター
、働きを妨害(中和)してしまうものをインヒビターといいます。例えばPPI(プロトンポンプ阻害薬)のIがインヒビターです。プロトンポンプを不活化し胃酸分泌を抑制するという薬ですが、この不活性化するというところが、インヒビターです。

トリプシンインヒビターというのはつまり、たんぱく質分解酵素のトリプシンの作用を阻害する物質です。

トリプシンの値が上がれば相互作用で、このトリプシンインヒビターもトリプシンを中和・抑制しようと上がります。トリプシンを検査する時に同時に検査するので、検査表を見直すと載っているのを発見できるかと思います。
基準値は検査方法によりますが、20ng/ml(RIA法)、29~94ng/ml(EIA法)です。
急性膵炎(重症急性膵炎)、慢性膵炎(再燃期)、敗血症、膵癌、大きな手術後または重篤な外傷、DIC、腎不全、肝胆道系の悪性腫瘍などで高値をとります。

膵臓がん・肝臓がん、胆道がんの腫瘍マーカーとして使用されていますから、そちらでこの項目を見かけられた事もあるかと思います。

よく似た名前のアンチトリプシン欠損症(マイケル・ジャクソンで有名ですね)を以前に紹介しましたが、これはまた肺や肝臓に関するべつのものです。

1996年、米国でカチオニックトリプシノーゲンを疾患遺伝子とする遺伝性膵炎が報告されてから、各機関で研究されるようになりました。
そして、膵内で活性化したトリプシンを不活化する、この膵分泌性トリプシンインヒビター(PSTI)の遺伝子に変異があると、軽症の膵炎をおこす事が分かりました。

はしょって書くと、火が燃え上がっているのに(トリプシンが活性化しているのに)、消化用の水(トリプシンインヒビター)が足りないようなものです。
また、癌というのは、なんらかのきっかけで、細胞の遺伝子に変異がおき、いくつかの癌遺伝子の活性化と癌抑制遺伝子の不活化が重なって癌細胞となってしまうのですが、コレと同じように、膵細胞の抑制遺伝子の不活性化で膵炎が起こってしまうのではないかとされています。
すい臓癌の場合、癌細胞による症状は何もありません。膵臓癌は見つかったときには進行していて、完治させるのが難しい癌になってしまいます。
同じように、膵炎も慢性膵炎と診断された時には、完治させるのが難しいものになってしまいます。

膵分泌性トリプシンインヒビター(PSTI)の助けをする薬としては、古くはウシの肺より抽出されたaprotinin(商品名:Trasylol(登録商標))、ヒトの尿より抽出されたウリナスタチン(商品名:ミラクリッド(登録商標))、化学合成されたメシル酸ガベキサート(商品名:FOY(登録商標))、メシル酸ナファモスタット(商品名:フサン(登録商標))、カモスタットメシル酸塩(商品名:フオイパン(登録商標))があります。
また、イカの肝臓以外の内臓から有機溶剤を用いずに水で抽出可能なトリプシンインヒビターであるポリペプチドを原料に同じような薬が開発されています。

むむ、何やら聞いたことのある名前が並んでますね。(笑)

さて、このトリプシンインヒビターの遺伝子異常に関しては膵臓関連よりも、もっと有名な分野があります。
大豆などの遺伝子組み換えに、このトリプシンインヒビターの遺伝子異常を起こす技術が使われています。

続きはこのお話や、遺伝子異常の検査・治療、そして膵炎になるともう酒は飲めないのか?などをおおくります。

オバマ大統領の就任演説を聞きながらエントリー記事を書いているのですが、演説が進むにつれて、ダメリカの株式市場がドンドン下落しています。大丈夫なのでしょうか?

ダメリカとオバマの明日はどっちや?(笑)

[ 2009/01/21 04:03 ] 膵炎 慢性膵炎 | TB(0) | CM(10)
トリプシンなんたらについて教えて貰えるのはここであってますか?
PSTIもPRSIだったか、PTSIだったかわかんなくなってましたけど、英語表記を見て納得
これで言えます、間違えません!

で、特別の治療法はないってことですね(笑)
フサンが効く理由がよくわかりました
[ 2009/01/21 10:18 ] [ 編集 ]
ここであってます。(笑)

簡単に言うと人よりたくさんフオイパンを飲む。
遺伝子異常を調べて、当たりだったら遺伝子治療をする。
膵炎に対する閾値をあげる。

などなど、分子消化器学会でいろいろと試されているようです。
[ 2009/01/21 12:11 ] [ 編集 ]
はじめまして
はじめまして、いつも拝見させて頂くのですがなかなかコメントを残すタイミングがなくて・・・

amylaseさんの知識にはいつも関心致します。病院の医者よりよく解る説明ですね(笑)私は先天的な膵管癒合不全に起因し急性膵炎を繰り返すことで慢性膵炎になった花の30代男です。23歳のときに朝、洗顔中に気持ち悪くなり吐血したあと、その後のことは覚えてないのですが気が付くとICU!その後は軽症急性膵炎を何回繰り返したのか覚えておりません。貯金も総てさようなら・・・・(笑)慢性膵炎にも医療費免除を!・・・
わたしは膵管癒合不全は確かなのですが、今まで、スポ-ツ好きで体を鍛え(ランニング)お酒・タバコはもともと飲まない。肥満でもなく副乳頭異常もなし、膵炎の原因が膵管癒合不全だけではないような気が数年前からありいろいろ病院を周っている内に、免疫的な事があるかもしれないという事が解ってきました。そのなかに遺伝子細胞の突然変異の可能性も?と担当医は仰ってました。現在は仕事の都合もございますので段階的に検査入院を繰り返しております。なかなかERCPデ-タ等による診断結果のみを信じて、他に原因は?と疑って、また患者の言う事に耳をかしてくれるドクタ-を探すのは至難の業です。ながながとすみません。

わたしももっと膵炎について勉強をしていきたいと思います。ではでは。失礼しました。
[ 2009/01/21 13:11 ] [ 編集 ]
又左さま
コメントありがとうございます。

特別に意識しているわけではないのですが、何十回と入院・検査をしているうちに、いやでも詳しくなってしまいました。(笑)
慢性膵炎にも公的補助が欲しいですね。ひょっとして、医師免許を取って自分で自分を診れば生活費くらいは出てしまうのではないかと思うくらいです。

この遺伝子方面の研究については、東北大学と熊本大学からの論文が多くて研究が盛んなようです。
自己免疫性膵炎は治療法も進んできましたが、同じようにこちらも早く解明出来れば良いのですが、なにせ行政の膵臓関連への研究費支出は悲惨な状況ですから、世間の膵臓に関する認識が広まってくれるところから始めないといけませんね。

これからも宜しくお願いします。
[ 2009/01/21 17:49 ] [ 編集 ]
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[ 2009/04/16 17:20 ] [ 編集 ]
Re: アドバイスおねがいします!
こんにちは。はじめまして。

アドバイスになるかどうかわかりませんが……

トリプシンのみ1,000以上の高値を示していて、体重減少、体調が悪いということでしょうか。
まず、トリプシンは、膵以外の臓器にはほとんど存在しないので、アミラーゼなどに比べて膵特異性は極めて高いので、なんらかの障害が膵臓に起こっている可能性は高いと思います。

考えられる疾患は、急性膵炎、慢性膵炎(急性増悪期)、膵癌(早期)、胆石症、胆道癌、肝硬変、肝炎などが一般的ですが、お腹や背中が痛いなどの症状がない場合は、腎臓の検査をすることが一般的だと思います。
(ただし、ご高齢のかたは痛みが膵臓に障害が出ていても痛みが出現しない方が少なくありません。)

トリプシンが検査項目に入っているくらいですから、肝・胆関係の項目、リパーゼ、膵アミラーゼなどはすでに検査されて異常なしとされているのでしょうか?
腎臓や糖尿関係の検査は尿検査によるものが多いので、こちらもすでに済まされているものとは思います。

このあと身体に負担の少ない検査となると、外部超音波(エコー)、胃カメラを飲むのが平気な方でしたらEUS、造影剤に拒絶反応がないならCT、閉所恐怖症でないならMRCPといった検査で診断を進めていくことになると思います。いずれも半日ですむ検査です。

最近良く耳にする話題に、慢性膵炎と後期高齢者保険制度の問題があります。

後期高齢者診療料の対象疾患は、

糖尿病、脂質異常症、高血圧性疾患、認知症、結核、甲状腺障害、不整脈、心不全、脳血管疾患、喘息、気管支拡張症、胃潰瘍、アルコール性慢性膵炎となっています。

後期高齢者診療料を採用した診療では、必要な検査でもそれをすればするほど診療所は赤字になり、検査をしない診療所ほど黒字になるという仕組みになっています。このような制度は「できるだけ診療はすまい」という萎縮医療につながっているといわれています。

後期高齢者医療制度の後期高齢者診療料を利用してしまうと、検査を含めすべて後期高齢者診療料の月額6,000円でまかなわなければならないという制約があります。

これではなかなか血液検査の項目を増やしたりレントゲン、エコーといった簡単な検査も年一回程度に制限されてしまいます。

総合病院にもかかられているようですから、そちらでエコー、CTなどの検査を受けられて原因の特定をされるか、どうしても検査に抵抗があるのでしたら、蛋白分解酵素阻害薬の点滴(商品名:FOY、フサン、ミラクリッド)を受けた直後に採血を行ってトリプシン値が下がっているかを調べる。
下がって体調が楽になっているようであれば、蛋白分解酵素阻害薬の経口薬(商品名:フオイパン)を処方してもらって様子を見る。
などの方法も考えられますので、主治医の方と良くご相談されるといいのではないでしょうか?

お力になれるかどうかはわかりませんが、また疑問に思われることがありましたら遠慮なく書き込んでください。
[ 2009/04/16 19:42 ] [ 編集 ]
Re: Re: アドバイスおねがいします!
追記です

これは説明を受けられていらっしゃると思って省いたのですが、膵炎などで起こった膵障害が軽微な場合はアミラーゼ、リパーゼなどの膵酵素も高いとは限りません。
もし、検査項目にホスホリパーゼA2やエラスターゼ1がなかった場合は追加で検査されてはいかがでしょうか?
上記のように高齢で腎機能の自然低下が進んでいる場合はトリプシンは高くなりますが、エラスターゼ1はトリプシンよりも腎機能低下の影響を受けにくいので膵機能に障害があるかどうかの目安になりやすいです。
[ 2009/04/16 23:13 ] [ 編集 ]
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[ 2009/04/16 23:45 ] [ 編集 ]
Re: ありがとうございます!
少しでもお役に立ててよかったです。

膵炎の場合、体重の減少を止めるには今のところ消化剤をちゃんと服用するか、エレンタールなどの成分栄養剤で補うしかありませんから、消化剤だけはちゃんと(食後すぐか、食前に)飲まれることをお勧めします。
[ 2009/04/17 00:19 ] [ 編集 ]
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[ 2009/04/17 00:38 ] [ 編集 ]
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