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膵疾患へのアプローチ

膵疾患へのアプローチ

少し大きな病院に入院していると、主治医の他に担当医、そして研修医がつくことになります。

このレジテントさんは各診療科を経験して、最終的に自分の専門をきめるのですが、一つの科にいる間に、すべての病気と出会うわけではありません。
特に膵臓病などは患者数も少ないので、研修医の期間中に消化器内科で慢性膵炎患者、緊急救命で急性膵炎をみる機会というのはなかなかないようです。

膵臓は他の臓器に比べて研究が遅れていることは否めないと思うのですが、それでも

急性膵炎については 2006 年に提案された「急性膵炎の診断基準・重症度判定基準改訂案(厚生労働省)」の妥当性に関して検証結果が発表されました。

2007 年「エビデンスに基づいた急性膵炎の診療ガイドライン
」が改訂されましたが、「急性膵炎における初期診療のコンセンサス」の改訂作業も厚生労働省研究班を中心に行われ公表されています。

慢性膵炎領域では、消化器病学会において「診療ガイドライン」作成が進んでおり、臨床診断基準改定の動きも公表されています。

自己免疫性膵炎
ではアジアにおけるコンセンサスに基づいた臨床診断基準を作成すべく、2008 年 1 月に小倉で国際シンポジウムが開催され、アジアからの臨床診断基準として提案されました。

膵癌
では 2006 年に上梓された「膵癌診療ガイドライン」の改訂に向けて準備が進められており、2008 年 5 月の第 94 回日本消化器病学会総会で公聴会が開催され、WEB上でも最終的な調整がなされています。

これらの動きをまとめた膵疾患へのアプローチでは、膵疾患全般にわたってそれぞれの病態や診断・治療を最新の知見を交えて具体的に解説し、臨床で役立つ実用的な書を目指して企画されたようです。

レジデントが持っていたので、さっそく借りてみました。カリパク予定なのでまだ斜め読みです。(笑)以下、大まかな内容です。

 急性膵炎は近年増加している炎症性疾患であり、治療法の改善によって予後は改善してきている。しかし、重症急性膵炎の致命率はなお高く、消化器領域では重要な疾患である。
診療の要点はいかに正確に診断し、発症早期に適切な初期治療を開始するかが鍵である。また、アルコール性と胆石性では治療内容に違いがあり、成因を考慮した診療方針を建てる必要がある。急性膵炎はダイナミックな疾患であり病状は変化しやすい。重症化の機序と病態、重症度判定基準をよく理解し、重症例への対応を熟知する必要がある。

 慢性膵炎も、アルコール消費量の増大とともに近年増加している疾患である。遺伝性膵炎や膵嚢胞線維症の原因遺伝子の発見によって膵炎発症の分子機序が明らかとなり、慢性膵炎の病態形成や自然史についても理解が深まりつつある。
慢性膵炎は非可逆性・進行性の病態と捉えられており、代償期・移行期・非代償期の病態をよく理解し、それぞれの病期ごとに適切な治療方針を建てることが大切である。
悪性腫瘍の合併頻度が高く、良性疾患でありながら予後の悪い疾患であることを認識することも大切である。
本書では試みとして、早期慢性膵炎をどのように捉えるか現時点の考え方を概説してある。

 自己免疫性膵炎は最近国際的にも注目を集めている疾患であるが、その疾患概念はなお流動的である。膵だけでなく全身多臓器に IgG4 陽性形質細胞が浸潤し臓器障害をきたす IgG4 関連硬化性疾患とする考え方が提唱されている。
最も重要な点は、腫瘤性病変として表れる限局性の自己免疫性膵炎と膵癌との鑑別である。自己免疫性膵炎は高齢,男性に多い疾患であり、しばしば黄疸で発症し、膵炎としての症状は軽いため臨床症状も膵癌と紛らわしい。
膵癌を限局性自己免疫性膵炎と誤診すると膵癌切除のタイミングを失う可能性がある。一方では,自己免疫性膵炎を膵癌と誤診すると高齢者に侵襲の大きな膵切除を行う可能性がある。自己免疫性膵炎のほとんどが速やかにステロイドに反応し軽快するため、無用な膵切除は是非とも避ける必要がある。

 腫瘍領域では画像装置の発達によって、診断のアルゴリズムが変化してきている。MDCT・MRCP・EUS・ERCP の役割をよく理解し、安全で速やかかつ正確な診断が要求される。
進行膵癌に対する治療も、塩酸ゲムシタビンの出現以来、その方針や内容は大きく変化してきた。2006年8月にはわが国で経口抗癌薬 TS-1 の膵癌への適応が認められ、治療の幅が広がった。
科学的根拠に基づく膵癌診療ガイドライン (2006年版)を中心に最新の治療法について理解を深めていきたい。
膵嚢胞性腫瘍では、特に良悪性の判断を如何に進めるか、鑑別を要する疾患にどのようなものがあるかを知ることが重要である。他の膵腫瘍性病変についても膵癌との鑑別点を押さえ、適切な治療方針を建てることが肝要である。




膵疾患へのアプローチ膵疾患へのアプローチ
(2008/10)
下瀬川 徹

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[ 2008/10/20 17:09 ] 膵炎 慢性膵炎 | TB(0) | CM(0)
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