スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

[ --/--/-- --:-- ] スポンサー広告 | TB(-) | CM(-)

EBMと診療ガイドライン

大野病院事件でも争点になった標準医療について取り上げたいと思います。

大野病院事件でもそうですが、その時点での標準的な医療を行うということが、現在の医療の基本となっています。

これには、患者が必要とされる水準の医療を受けられる施設への搬送という事も含まれています。
おおむね、医療機関はこの診療ガイドラインにそった治療を行う必要があります。
違う言い方をすれば、この診療ガイドラインにのっとった治療を行っていたか否かが、医療訴訟時のポイントにになります。

診療ガイドライン( Medical guideline)とは、医療現場において適切な診断と治療を補助することを目的として、病気の予防・診断・治療・予後予測など診療の根拠や手順についての最新の情報を専門家の手で分かりやすくまとめた指針です。単にガイドラインと言えば診療ガイドラインを示します。

このガイドライン作成時にポイントになるのが、根拠に基づいた医療(EBM:evidence-based medicine)です。エビデンス、あるいは、EBMと呼ばれます。

エビデンス(EBM)とは、「良心的に、明確に、分別を持って、最新最良の医学知見を用いる」("conscientious, explicit, and judicious use of current best evidence") 医療のあり方で、
治療効果・副作用・予後の臨床結果に基づき医療を行うというもので、医学誌の過去の臨床結果などを広く検索し、時には新たに臨床研究を行うことにより、なるべく客観的な疫学的観察や統計学による治療結果の比較に根拠を求めながら、患者とともに方針を決めることを心がけています。

ガイドラインではエビデンスに基づき推奨度、科学的根拠の強さが示されています。

* 有効性による分類

* A 強く勧められる
* B 勧められる
* C 勧められるだけの根拠が明確でない
* D 行わないよう勧められる

有効性による分類のことを、グレードとも呼ぶ。

* 研究デザインによる分類(若いほど科学的根拠が強い)

* I a 系統的レビュー・メタアナリシス
* I b ランダム化比較試験
* II a 非ランダム化比較試験
* II b その他の準実験的研究
* III 非実験的記述的研究 (比較研究、相関研究、症例対照研究など)
* IV 専門科委員会や権威者の意見


例えば、エビデンスに基づいた急性膵炎の診療ガイドラインによれば

治療部門

初期の十分な輸液投与:推奨度A

重症例に対する抗菌薬の予防的投与:推奨度A
軽症例に対する抗菌薬の予防的投与:推奨度D

重症例に対する蛋白分解酵素阻害薬の大量持続点滴静注:推奨度B

搬送基準

重症急性膵炎例の搬送:推奨度A
重症急性膵炎例は,モニタリングと全身管理が可能な医療施設に搬送し,診療することが望ましい。厚生労働省重症度スコア2点以上を搬送基準とする。

などと提示されています。

輸液については、どの段階の膵炎でも、A 強く勧められるとなっています。
一方、抗菌薬の予防的投与については、軽症はD 行わないよう勧められるに対して、重症例ではA 強く勧められると提示されています。
重症例に対するいわゆる動注療法については、B 勧められるとなっています。

また、高次医療施設への搬送については、厚生労働省重症度スコア2点以上でA 強く勧められると提示されています。

このように、診断・治療などほぼ疾患全ての流れに標準的な治療法とその推奨度が定められています。
この、ガイドラインは、ほぼ全ての医療機関に備わっていますので、どの医療機関でもガイダンスにそった標準治療が受けられることになっていますし、高次医療期間へ搬送しなければならない基準も示されています。
また、各疾患のガイドラインについては患者も書店などで手に入れることができます。

膵臓関係では、

エビデンスに基づいた急性膵炎の診療ガイドライン

科学的根拠に基づく膵癌診療ガイドライン (2006年版)

IPMN/MCN国際診療ガイドライン 日本語版・解説

などの診療ガイドラインが発売されています。

[ 2008/08/22 08:51 ] 膵炎 治療・療養 | TB(0) | CM(1)
管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
[ 2008/08/28 18:39 ] [ 編集 ]
コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
この記事のトラックバックURL
http://amylase.blog121.fc2.com/tb.php/473-cc594f27




最近の記事+コメント
BBS

Twitter Updates

    follow me on Twitter
    上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。