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膵の生化学検査 3

アミラーゼ以外の膵酵素

アミラーゼ以外にもいくつかの膵酵素があります。いずれもアミラーゼよりは膵特異性が高いが、決定的に優位の項目はありません。また、各種膵酵素の上昇のパターンと病態の関係は、あまりよくわかっていません。

リパーゼ

リパーゼは中性脂肪を分解する酵素です。膵炎に対する感度はアミラーゼとほぼ同等で、より膵特異性が高いです。ただ、膵疾患でアミラーゼのみ上昇している例もあるので、可能な限り、両方を測定しておくのが望ましいのです。
 なお、アルコール性膵炎の場合、理由は不明ですが、アミラーゼ値の割にリパーゼ値が高めになるといわれています。
 私の場合、リパーゼの高さは痛みの大きさと比例しています。(笑)

トリプシン

膵のみで産生される蛋白分解酵素で、膵酵素中では膵特異性が最も高いです。腎不全で蓄積・上昇するのを除けば、トリプシン上昇は何らかの膵障害を意味すると考えてよいのです。ただし、膵特異性をのぞけば、上昇時の意義は他の膵酵素と同じです。
 トリプシンを測定する意義は、むしろ、低下の方にあります。トリプシンが低下していれば膵の著しい荒廃、すなわち膵外分泌機能不全が示唆されます。他の膵酵素でも膵荒廃時に低下しないわけではありませんが、膵特異性が低いため膵全摘後でもゼロにならないものも多いです。

エラスターゼ1

 膵酵素のうち蛋白分解酵素エラスターゼ1のみが保険診療上の腫瘍マーカーとして扱われるが、腫瘍により産生されるわけではない。アミラーゼ等他の膵酵素と同様に、癌による主膵管の閉塞で血中に漏出しているだけです。
 他の膵酵素と比較して膵病変時の高値が長く持続する傾向はありますが、それ以外に特別なメリットはないと考えてよいのです。腎不全時は蓄積して高値になるし、特異性についていえば膵全摘後でも必ずしも低下しない項目です。
フォスフォリパーゼA2
膵特異性の高い項目です。一般に膵酵素値と膵炎の重症度の関連は低いが、フォスフォリパーゼについては値と重症度がある程度相関するともいわれます。ただし、緊急測定が困難なこともあり、広く活用されているとは言い難いです。

膵の外分泌機能検査

 慢性膵炎では膵液の分泌機能(膵外分泌機能)が低下してきます。しかし、血液検査で膵外分泌機能を評価するのは困難です。膵の荒廃が著しく進行すれば膵型アミラーゼ、トリプシンなどの膵酵素が低下するが、感度は低く、膵酵素が基準範囲内だからといって外分泌機能が正常とは判定できません。
 膵外分泌検査のうち最も正確で鋭敏なのはセクレチン試験(セクレチン静注刺激下に膵液採取)ですが、煩雑で特殊な施設以外では困難です。通常は、感度・特異性は劣るが、下記のいずれかが用いられます。

PFD試験

内服した試薬が膵キモトリプシンで分解されて吸収され肝で代謝されて尿中に出現するのを検出する検査です。薬剤の干渉を受けやすいため、三日前から消化剤はもちろん全ての内服薬を中止するのが望ましいのです。また、肝障害や腎障害などでも偽陽性になることがあります。
 私は通常80%以上のところ、現在38%です。(汗

便中キモトリプシン

キモトリプシンは便中でも安定な蛋白分解酵素です。低下は膵の荒廃を示唆するが、感度・特異性とも十分とは言えません。

便塗抹脂肪染色

膵外分泌機能が低下してくると最初に障害されるのは脂肪の消化です。便塗抹で脂肪滴が多数見られれば脂肪の消化吸収障害があることはわかるが、慢性膵炎末期の極度の荒廃以外では陽性にならないし、膵以外の原因による吸収不良を鑑別する必要があります。

膵の内分泌機能

 膵ランゲルハンス氏島はインシュリン、グルカゴンをはじめとする各種のホルモンを産生するが、臨床的に機能低下が問題になるのはインシュリンのみです。(機能亢進は、稀なホルモン産生腫瘍以外では問題になりません。) インシュリンは血糖を下げる機能を持つ唯一のホルモンであり、インシュリン分泌不足は即血糖上昇という形で現れてきます。膵の内分泌機能は糖尿病の検査でほぼカバーできると考えてよいのです。

血糖値(ブドウ糖、グルコース)

 空腹時血糖が110mg/dL以上であれば異常です。空腹時血糖が126mg/dL以上か食後血糖が200mg/dLを越えれば、通常は糖負荷試験をするまでもなく糖尿病と考えてよいのです。 ただし、血糖上昇=インシュリン不足ではありません。糖尿病の大部分は体組織のインシュリン感受性低下が関与しており、血中インシュリンはむしろ高めのこともあります。また、手術後などストレスがかかった状態では、副腎皮質ホルモンをはじめとするストレスホルモンが大量に分泌されるため、血糖値は上昇します。
 なお、膵癌の初発症状が糖尿病の急激な増悪という場合もあるので注意を要します。

ヘモグロビンA1c

 血中ではブドウ糖が蛋白に結合する化学反応が徐々に進行しています。血糖が高ければこの反応は亢進するので、蛋白にどの程度ブドウ糖が結合しているかを調べれば、食事によって激しく変動する血糖値が平均してどのくらいのレベルであったかを推定できます。 この種の検査はいくつかありますが、最も高く評価され広く使われているのは、赤血球のヘモグロビンの糖化度の検査、ヘモグロビンA1c(グリコヘモグロビン)です。

 ヘモグロビンA1cについては、

・過去約一ヶ月の血糖を反映
・肝硬変では赤血球寿命が短くなるため低く出る(ヘモグロビンが十分糖化されないうちに血中から除去される)
・施設間差が大きい検査

の三点を押さえておきます

膵の生化学検査の読み方で重要なものは、ほぼ網羅されていると思います。

病院・医療機関によって試薬や方法によって少しづつ変わってくると思いますので、ご自身のかかられているところにも尋ねてください。この様にまとめてあるものを渡されるか、クリニックなどでは検査結果をもらうときに医師から説明をいただけると思います。
検査結果と薬をもらうだけでは自分の病気についての理解が深まりませんし、検査結果の読み方を教えてもらわずに言いなりでは、不安がつのるものです。
自分の身体の状態を検査したのですから、それは自分で把握しておきましょう。

[ 2008/06/06 11:41 ] 膵炎 治療・療養 | TB(0) | CM(0)
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