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急性膵炎 疫学 3

4.急性膵炎の予後

1) 再発率

 急性膵炎の再発率は成因や治療の有無により異なる。アルコール性急性膵炎の46%に再発を認め、そのうちの80%は4年以内に生じている。胆石性膵炎では、初回時に胆石に対する処置が行われなかった場合、32~61%に再発を生じるとされている。本邦における重症急性膵炎の予後調査では、37%に再発が認められ、特にアルコール性膵炎の再発率は51%と高かった。
 
 スウエーデェンの大学病院の調査によると、急性膵炎の入院患者の22%が再発で、その2/3が3ヶ月以内の再発であった。

2) 慢性膵炎への移行

 急性膵炎後の慢性膵炎への移行率は3~13%

 長期予後の全国調査では、膵石を17%(アルコール性17.7%、胆石性14%)、尿糖を27%(アルコール性40%、胆石性14%)にみとめたとされている。

3) 死亡

 日本における近年の死亡率は全体で2.9~7.4%程度である

 急性膵炎の再発は初発例に比較して、一般的に死亡率は低いとされている。さる研究では再発性膵炎の死亡率は2.5%であり、急性膵炎全体の死亡率4.2%と比較して有意に低かった。ヨーロッパ5カ国の報告によると、再発性膵炎の死亡率は5.9%で全体の死亡率7.8%と比較して低かった。

4) 急性膵炎の死亡時期

 急性膵炎では発症初期に死亡する例が多い。死亡例の半数は発症後2週間以内の早期死亡であり、主な死因は循環不全に伴う臓器不全である。一般に後期死亡例は、主に感染症合併症、特に感染性膵壊死に起因する場合が多い。

5) 予後に影響する因子

 急性膵炎の予後は、臓器不全と膵壊死により決定される。壊死性膵炎は、急性膵炎患者の約10~20%に発生し、その死亡率は15~20%である。壊死性膵炎に臓器不全を伴う場合、死亡率は約50%になる。また、急性膵炎の発症早期に臓器不全がある場合や、48時間以上続く臓器不全がある場合、死亡率は70%と高い

 膵壊死を伴わない重症膵炎の死亡率が11%であるのに対して、膵壊死を伴う重症膵炎の死亡率は23%である。

6) 長期予後

 急性膵炎の機能的予後に関しては、3分の1から半数に内分泌的あるいは外分泌的機能障害(糖尿病、脂肪便)が起こるが、全身状態はおおむね良好であり、通常の社会生活を送っているという報告が多い。脂肪便は経年的に軽快する傾向があるが、糖尿病は悪化するという。急性膵炎の内分泌障害は、外科的切除により起こるという主張もあり、重症膵炎に対して保存的治療を行った群と、外科的切除を行った群とで、インスリン分泌能に差がみられてという。
 重症急性膵炎を対象とした全国的な予後調査では、12年後15%が死亡、再発が22%、慢性膵炎への移行が24%、糖尿病が13%であった。死因としては悪性腫瘍が最も多く36%、一年以内に再発を経験した症例が46%であった。

[ 2008/02/17 09:57 ] 膵炎 急性膵炎 | TB(0) | CM(0)
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