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膵炎とペインクリニック

慢性膵炎でペインクリニックへ行くとどんなふうな診察が受けられるのか?

たくさんのご質問を頂きましたので、体験談を追々書いて行きます。

いつもの病院の疼痛外来は院内紹介でデータも共通出来ていますし、ベストな形だと思うのですが、中には小さなクリニック規模ではどうか?とか、データ、紹介状を持っていかなかったらどうなるのか?というご質問を受けましたので、各病院の緊急外来巡りに続いて、ペインクリニック体験談を書いてみます。

病院選びについては、ペインクリニック学会の専門医のいる施設から適当に選んで予約を取りました。

そして、もう一件、散歩途中に「内科・小児科・ペインクリニック(麻酔科)」と看板が出ているクリニックを発見しましたので潜入受診することにしました。(笑)

スペック的には

慢性膵炎による慢性疼痛

項目 痛みの表現法
いつから 1時間前、昨日から、1週間前から、1か月前から、ずーっと
どこが 頭が、胸が、腹全体が、腕が、腰が、背中が痛いなど
どうしたら 首を動かしたら、寝返りしたら、立ち上がったら、重いものを持ったら、食べ物をのみこんだら、排便したら、常時など
どんなふうに 重苦しく、つっぱったように、裂けるように、針で刺されるように、など
どの位 夜眠れない位、歩けない位、じっとしていられない位、何も考えられない位、など

現在はMSコンチン、レペタン、ボルサポ、アンペックを使用。

受診目的は痛みを除去すること。

過去に神経ブロックを行ったが効果無し。

一応、要求されるかわかりませんが、過去の血液検査データ、CT、ERCP、EUSの画像は用意しました。(電話で予約したときには何も言われませんでした。)

電話での説明では、具体的な治療方法としては、神経ブロックをはじめボツリヌス注射、高周波熱凝固療法、硬膜外内視鏡、脊髄刺激電極埋込み術のような特殊な技術を用いる治療法や薬物療法、光線療法、東洋医学療法などがあります。理学療法や心理療法を行なうこともあります。

今回はおそらく中規模と見られる病院とクリニックの2箇所にしたのですが、

病院の方では、神経ブロックをはじめボツリヌス注射、高周波熱凝固療法、硬膜外内視鏡、脊髄刺激電極埋込み術のような特殊な技術を用いる治療法を行う事もあるので、検査・診療にある程度の時間がかかるとの事でした。

クリニックの方では、薬物療法、光線療法、東洋医学療法、理学療法や心理療法をメインにおこなっているのような事前の説明でした。

瓢箪から駒でも出ればと言う気軽な気持ちでのペインクリニック受診です。

ペインクリニック診断・治療ガイド―痛みからの解放とその応用ペインクリニック診断・治療ガイド―痛みからの解放とその応用
(2005/08)
大瀬戸 清茂

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[ 2008/10/27 18:05 ] 膵炎 慢性膵炎 | TB(0) | CM(5)

茄子漬け

茄子 アンダルシアの夏をみました。


自転車レースを通して兄と弟そして二人が愛した女性との関係を絶妙に描いた作品です。
第56回カンヌ映画祭監督週間に、日本アニメ史上初めて正式出品されたものです。
47分ものなので、あっという間に終わってしまいましたが、自転車も忠実に描写してあるし、かなりの迫力があります。
レースのスピード感や躍動感がリアルに伝わってきていました。
高坂希太郎監督は、宮崎駿監督の一番弟子にして、『千と千尋の神隠し』の作画監督をはじめ、スタジオジブリ作品を支え続けてきた天才アニメーターであるそうで、この作品にもあらゆるところにジブリテイストが漂っていました。
この映画は、実際のレース等で出てくるものとかを、うまくパロディー化してあるので、自転車通の人が観ればニヤッと喜ぶ! 観る人が観ればわかるこだわり映画にできあがっています。
それにしても、アンダルシア名物“茄子漬け”がおいしそうでした。できれば味わってみたいものです。

誰か彼女に伝えてくれよ ホームのはじでまってるはずさ~♪
ちょっと遅れるかもしれないけれど 必ず行くからそこで待ってろよ~♪
と唄ったのは「アンダルシアに憧れて」の真島昌利でしたが、こちらの音楽は清志郎です。



公式サイトがまだ残っていました。

「プロって言うのは仕事以上のことをやっちまうやつだって!」。名セリフが心地よい。ペダルのひと漕ぎは、人生を変える、ネジのひと巻。スペインのアンダ ルシア地方を駆け抜ける自転車ロードレース「ブエルタ・ア・エスパーニャ」を見事に描いた、大傑作。自転車レースは決してひとりだけで走るものじゃない。 チームメイトと協力し、ライバルと駆け引きをしながら、人々の想いと願いを背負って走るのだ。生まれ育った土地から抜け出したいと思っている、地元のロー ドレーサーのぺぺ。彼はレースの駆け引きの中で、いつの間にか集団の先頭を単独で走ることになる。はたしてゴールまで実力あるベテラン勢から逃げ切ること ができるのか。彼はアンダルシアから逃げるように、実力以上の速度で駆ける、駆ける、駆ける。先頭をはたしてたったひとりで走る彼をつなぎとめるもの は……? スペインに暮らす地元の人々の生活を丹念に描くからこそ、彼の想いが痛いほど伝わってくる。クライマックスとなるゴール直前のスプリントシーンのド迫力 は、アニメーションならではの興奮にあふれる。一瞬もまばたきを許さない、実力派アニメーターたちの競演となる47分。監督はスタジオジブリ作品でも大活 躍し、自転車マニアとしても知られる高坂希太郎。


茄子 アンダルシアの夏茄子 アンダルシアの夏
(2007/10/24)
大泉洋小池栄子

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[ 2008/10/27 16:51 ] いろいろ 趣味 | TB(0) | CM(4)

エンディングノート

サザンオールスターズの桑田佳祐さん(52)の姉で、神奈川県茅ケ崎市の海岸の環境問題に取り組む市民団体「はまけい(茅ケ崎・浜景観づくり推進会議)」の代表、また、一部の楽曲で英語補作詞を手がけた岩本えり子さんが19日に死去していたことが22日、わかった。死因は膵臓癌で56歳でした。末期の状態でご本人も余命数ヶ月ということはわかっていたそうです。平成7年に一度は乳ガンを克服したが、今年に入ってまた体調が悪化したそうです。桑田さんは最後まで望みを捨てずに、国内外の医師を紹介し治療のサポートに必死だったそうです。

えり子さんは、桑田同様に地元・茅ケ崎への愛も深く、05年に市民団体を立ち上げ、環境問題に取り組んでいた。カリスマ性もあり、昨年4月には市長選への出馬が取りざたされました。だがそのころにはすでに体調が悪化していたようで、結局出馬はしませんでした。サザンの活動休止の発表時期とえり子さんの闘病時期が重なっているが、所属事務所は関連を否定しています。

サザンのヒット曲「いとしのエリー」のタイトルは、えり子さんの名前が由来となっているとの説がファンの間では有名だそうです。

最後までガンと向き合い闘病生活を送られたそうです、ご冥福をお祈り致します。




膵炎で入院していると、膵臓癌の方と同室になることが多いのですが、時々、自分を記録するエンディングノートというものを持っていらっしゃる方を見かけます。(とにかく大きな本なのですごく目立ちます。)
内容としては、相続だけではなく、もし自分が認知症になってしまったらどうして欲しいとか、葬儀の手順や、希望、そして、会員になっているものの解約手続きや連絡先、家計図やもしもの時の連絡先・連絡方法をまとめられる書き込み式ノートです。
人生の最期をみつめることで、これまでの生き方を見つめ直せる構成になっているので、終末期医療を受けられている患者さんは意識がはっきりしている間に書き始められる方が多いようです。

初めはあきらめの気持ちが強くてこういったものを書かれているのかと思いましたが、身辺整理を行うことで憂いを残さず闘病に向き合えるとおっしゃっていました。


[ 2008/10/24 17:09 ] 膵炎 慢性膵炎 | TB(0) | CM(5)

慢性痛

4回連続で痛みに関するエントリーですが、慢性膵炎や膵臓癌で疼痛外来(麻酔科)、ペイン・クリニックへ通ってらっしゃる方も多いかと思います。

私の疼痛外来の主治医もそうなのですが、穏やかな医師が多いようです。
痛みでいらだっている患者を多く扱ってらっしゃるからでしょうか?

慢性疼痛とは、腰痛、偏頭痛、関節炎、癌などのために、日常生活に支障を来すような疼痛が、6カ月以上続いている状態である。と、されています。

疼痛(とうつう)とは、痛みをあらわす医学用語の一つで、物理的な刺激や疼痛物質(セロトニンやブラジキニン)による科学的な刺激を疼痛神経が感知し、大脳にある中心後回が痛みとして認識した結果と定義されています。

慢性疼痛をさらに区分すると以下のようになります。

1. 長期間にわたり侵害刺激が加わり続ける侵害受容性疼痛
   進行性のリウマチ性関節炎やがん末期の痛みなど

2. 疾患が治癒した後も持続している痛み
   急性痛から移行した痛み

3. 組織損傷の徴候がない自発性慢性痛

2004年の調査によると、日本人の慢性疼痛の保有率は約13.4%だそうです。ECの調査では成人人口の19%、高齢者では33%が慢性疼痛を有しているとでています。
上記のうち1は原因がわかっているので急性痛と同様な治療を基本に治療を行われるのですが、2、3のようなケースの患者の方が多く、慢性疼痛の研究や議論は主に2、3に当てはまる患者さんを対象に行われているようです。

膵炎の場合は慢性膵炎の難治性疼痛など、1に区分されています。

急性膵炎の場合は、消化液が漏れだして自己消化による炎症を起こす痛みが代表ですが、これは急性痛で急性膵炎(増悪)が治まれば痛みもひいていきます。

慢性膵炎膵臓癌ではご存知の通りアミラーゼ、リパーゼなどは膵の荒廃によってほとんど産出されなくなっていますが、膵臓は神経の入り組んだところにある事もあって、腫瘍や拡張にによってこれが刺激されると痛みます。また、狭窄した膵管の管圧が高くなって痛むという事もあるようです。

一昔前までは1の「器質性」か、2、3の場合は「心因性」と医療サイドでは分けられていたようですが、現在のペインクリニック学会では

持続性身体表現性疼痛障害の診断基準


A.持続性(すくなくとも6カ月の間、ほとんど毎日のように続いて)で
重度の不快な疼痛があり、
身体の部位はどこであってもよい.
痛みは生理的過程または身体的障害によって十分説明のつくものでなく、
つねに患者の最大の関心の的であること

B.主要な除外診断:
統合失調症(精神分裂病)とその関連疾患の存在下、
あるいは気分(感情)障害や身体化障害、
鑑別不能型身体表現性障害
および
心気障害の罹病期間中だけに起こっているものではないこと

慢性疼痛は、炎症などの肉体的な痛みの原因を除去しただけでは改善しない。
身体の痛み、心の痛み、社会的な痛み、霊的な痛みの4要素を頭に入れて治療しなければならない。
多職種(麻酔科医、ソーシャルワーカー、臨床心理士、精神科医ら)による総合的な治療の関与が必要である。
「慢性疼痛の治療には精神的なケアも含めた全人的な治療が必要」


とされています。

また、慢性痛サイクルと言う考え方も説かれており、薬物治療とともに痛みのセルフコントロール、慢性の痛みとどう向きあったらよいかという欧米流の対症法も試されるようになってきました。

慢性痛のセルフコントロール―自分でできる

「慢性痛」がわかる本―メイヨー・クリニック版


疼痛外来などでは、「慢性疼痛は、痛みそのものが病態であり、QOLやADLを高めることが目標です。」 と掲げてあります。

膵炎の場合は、下痢、吐き気、体重減少など痛みをとるだけで症状の多くが解決するわけではありませんが、QOL向上のためにペインクリニックを受けるのも一つの方法ではないでしょうか?

アルコールや油物を食べるためにペインクリニックへ行っても「・・・?・・・?」となるのがオチですから、念のため。(笑)


[ 2008/10/23 16:42 ] 膵炎 慢性膵炎 | TB(0) | CM(4)

痛みの強さ

以前のエントリーで痛みの数値化やフェイススケールについて書きましたが、国際疼痛学会では、

痛みとは、不快な感覚性・情動性の体験であり、組織損傷を伴うものと、損傷があるように表現されるものがある。と、定義されています。

痛みをどう表現するかについては、ズキズキ、ガンガン、シクシク、ズッキーン、チクチク、ヒリヒリなどいろいろあると思います。
旅行用の英会話本にも、throbbing pain(ズキンズキンという痛み)、burning pain(ヒリヒリとした痛み)、pricking pain(ちくちくする痛み)などと何種類もの表現の仕方が載っています。

痛みは危険をいち早く感知し、患部を知るのに欠かせませんが、必ずしも身体が傷ついたときにだけ感じるわけではありません。最近の研究によれば、悲しいことがあった時、脳は身体的に苦痛を受けたときと同じような反応をすることが判明し、心痛とは、まさに傷つき痛むことだと言われています。

医療関係者が「痛み」に関する質問で用いる、PQRSTというものがあります。

P:Provokes(誘発する/引き起こす)、どうすれば痛みますか?、どうすれば和らぎますか?といった質問です。

Q:Quality(痛みの性状について)、どんな感じの痛みですか?

R:Radiates(広がる)、痛みは違う所に移りますか?、痛みはどこに広がりますか?などの質問は「胸痛」などでは必須になりますし、虫垂炎のように痛みが移動する特徴を持っている疾患を発見するのに役立ちます。

S:Severity(つらさ、痛みの程度)、フェイススケールなどを用いて痛みの程度を質問します。

T:Time(いつから、どれくらい続いたか)また、時間とともに痛みが増しているのか?痛みに波はあるのかと言った意味も含んだ質問です。


P、R、Tについては人によって表現が異なることはあまりなく、医師に伝える事もそう難しくはないのではないかと思います。

Qについては、とても芸術的な表現をされる方もいらっしゃるそうですが、これも困難と言うほどではないかと思います。

Sの痛みの強さには個人差が大きいのでやっかいです。

例えば、一般的に男性は女性より痛みに強いと言われています。
病院でも歯科医院でも「どうしてこんなになるまでほっておいたのですか?痛かったでしょう?」と言われるのは男性に多いようです。

女性のほうが痛みへの感受性が高いのは事実で、同時に、香りや音楽などによる鎮痛作用も、女性への効果が高いそうです。
そもそも痛みは、受容する段階だけではなく、それを痛みと感じる段階、さらに痛いと表現する段階があり、最近では、痛みに強い人と弱い人では脳の対応する部分の活性度合いが違うことが発見されました。

医学的な面でいえば、痛みを耐えるにはGIRK2というタンパク質が関係していることがわかっていて、 GIRK2を無くしたマウスは痛みに弱くなるし、モルヒネなど痛みを緩和する薬品にGIRK2を活性化するはたらきがあることもわかっています。
このGIRK2が男性に多いことから、男性の方が痛みに強いのはここに一因があるのではないか、また、男性の多くが腹式呼吸であるのに対して、女性は胸式呼吸であることも痛みに対する強さに差がある一因といわれています。

また、性別の差だけでなく加齢による痛みの感じ方の差もあります。
年齢とともに痛みへの感受性が落ちてくることと、痛みの大きさを過去の経験と照らし合わせて判断するからだと言われています。これは、年を取ると時間の過ぎるのを早く感じるのと同じですね。

ちなみに、アロマなどの甘い香りが痛みへの耐性を高めることも実験で示されていますが、こちらは効き目があるのが女性だけだそうです。

また、疼痛学にはゲート・コントロール理論というのがあって、脊髄に、痛みを伝えるゲートがあると仮定する説です。ゲートを通れる感覚の量は限られているから、痛みを感じているときに他の感覚がゲートに割り込めば、痛みの感覚を少々絞って、そちらの感覚を通すことになるといものです。

痛い痛いのとんでいけ」とさすると痛みがやわらぐ効果を裏付ける理論です。

う~ん、確かに急性増悪時にソセゴン連発するよりも、優しい看護師さんに背中をさすってもらう方が効くような気がします。(笑)

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[ 2008/10/23 12:55 ] 膵炎 慢性膵炎 | TB(0) | CM(0)

不治の病?

私は見ていないのですが、フジテレビ開局50周年記念ドラマ風のガーデンという、緒方拳さんの遺作となったドラマで不治の病としてすい臓癌が出てきているそうです。

モルヒネや腹腔神経ブロックなど身近な?治療も出てきているそうなので、後でまとめて観ようと思っています。

最近、リメイクされた「白い巨塔」や「生きる」「フルスイング」などでも取り上げられていて、不治の病としてすい臓癌が一時の白血病のように認知されてきたようです。

進行の早さ、余命の短さ、相対5年生存率4.5%と言う予後の悪さから題材として扱いやすいのでしょうか?

パトリック・スウェイジのようにいきなり余命5週間などと宣告されるように、すい臓癌は症状が現れにくく、発見されたときは時間との闘いになるのでドラマの材料として最適なのかもしれません。

メジャーになるのはいいのですが、

「どこが悪いの?」ときかれて

「膵臓」と答えると悲壮な顔をされることがあります。

おかげで、「膵臓の調子が悪いから」と言えばいやな席を退いても、なんやかんやと言われないのですが。(笑)

ところで、余命宣告を受けたパトリック・スウェイジですが、カルフォルニアのスタンフォード大学医療センターでの化学療法&試験薬による治療が順調に進んでおり、09年には復帰との事です。

先日のインタビューで「僕は奇跡だよ」とタバコを吸いながら取材に応えていましたが、現在でも一日3箱のヘビースモーカーのままだそうです。バカなの?死ぬの?(笑)

pw.jpg

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唐沢寿明江口洋介

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[ 2008/10/21 10:19 ] 膵臓 すい臓癌 | TB(0) | CM(4)

認められぬ病

読書の秋ということで、1日に5冊ほどのペースで本を読んでいる今日この頃です。

慢性膵炎の場合はうつ病を併発することも多いかと思うのですが、愛蔵版DVD BOOK 生きて死ぬ智慧 (小学館DVDブック)という、NHKで放送された「いのちで読む般若心経 生命科学者・柳澤桂子」の再編集版がヒットした柳澤桂子氏も元?慢性膵炎兼うつ病患者だったそうです。

柳澤桂子氏は生命科学者で、父も小野記彦という著明な生物学者だったそうです。柳澤氏の長男も著明な生物学者として現在活躍されています。
お茶の水大学理学部植物学科を卒業後、コロンビア大学動物学部大学院に進学し、婚約者のやはり生物学者であった嘉一郎氏と結婚、大腸菌の研究で博士号を取得。
帰国後に一男、一女が生まれ、暫く子育てに専念していた最中、1969年、38度近い微熱とめまい、嘔吐に見舞われ大学病院に入院します。
自律神経失調症という診断が付けられ投薬を受けるも改善することなく、以後37年間現在に至るまで毎月一回周期的に2週間程度襲ってくるこの激しい症状に苦しめられているだけでなく、たくさんの専門医から精神的なものとしてまともに扱われず、侮辱され続けるという二重の苦しみの中に置かされて来ました。
1971年三菱化成生命科学研究所副主任研究員となり輝かしい成果を挙げるも、激しいめまいと嘔吐に倒れ、大学病院の婦人科で「子宮内膜症」という診断を受け子宮の摘出手術を受けます。しかし症状は継続し、他科の教授からは「慢性膵炎」という診断を受けて治療を受けるようになります。
しかし症状は継続するため、症状は心気的のものとして扱われ、一人孤独な苦しい闘病を続けることとなります。結局、休職が長引き、1983年に研究所を退職せざるをえなくなる。そのあまりの苦しさと疲弊から、死をも考える時期があった。
1999年千葉市の精神科医が家族の依頼により往診し「慢性疼痛」と診断されSSRIが投与された所、初めて症状が軽減しましたが、現在も闘病生活は続いています。

この著者が、30年に及ぶ闘病生活のあいだ、病気と認められず、「心の通う医師を求めて」ドクターショッピングを続けてきたその経過を、感情をできるだけ排することに努めて綴った記録が、本になっていました。

認められぬ病―現代医療への根源的問い

患者の孤独―心の通う医師を求めて

現在までの脳病期間につけられた病名は、心身症、膵炎、子宮内膜症、潰瘍性大腸炎、てんかん、脳幹症、慢性疼痛、鬱病、ヒステリー、多発性硬化症。そして、現在は、周期性嘔吐症候群。
この間、問題患者のような侮蔑的な扱いを受けたり、間違った処方をされて、その薬の副作用で新たな症状が出たりした事もあったようです。
患者の顔も見ず、検査結果のみを見て、「病気のはずがない」「どこも悪くない」「精神的なもの」と言い放つ医師に対しては、患者はどうしたって、「自分は具合が悪いのだ。病気に決まっている。あなたは専門家でしょう、ちゃんと診断してください」と思うものだと書かれています。

膵炎の場合もある程度進行するまでは見つけにくいので、よく似た経験をなさった方が多いのではないかと思います。
また、この著者のように安易に慢性膵炎と診断されて、大きくまわり道をさせられてしまった方も同じくらいいらっしゃるかもしれません。


患者の孤独―心の通う医師を求めて患者の孤独―心の通う医師を求めて
(2003/03)
柳沢 桂子

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[ 2008/10/21 08:51 ] 膵炎 慢性膵炎 | TB(0) | CM(3)

膵疾患へのアプローチ

膵疾患へのアプローチ

少し大きな病院に入院していると、主治医の他に担当医、そして研修医がつくことになります。

このレジテントさんは各診療科を経験して、最終的に自分の専門をきめるのですが、一つの科にいる間に、すべての病気と出会うわけではありません。
特に膵臓病などは患者数も少ないので、研修医の期間中に消化器内科で慢性膵炎患者、緊急救命で急性膵炎をみる機会というのはなかなかないようです。

膵臓は他の臓器に比べて研究が遅れていることは否めないと思うのですが、それでも

急性膵炎については 2006 年に提案された「急性膵炎の診断基準・重症度判定基準改訂案(厚生労働省)」の妥当性に関して検証結果が発表されました。

2007 年「エビデンスに基づいた急性膵炎の診療ガイドライン
」が改訂されましたが、「急性膵炎における初期診療のコンセンサス」の改訂作業も厚生労働省研究班を中心に行われ公表されています。

慢性膵炎領域では、消化器病学会において「診療ガイドライン」作成が進んでおり、臨床診断基準改定の動きも公表されています。

自己免疫性膵炎
ではアジアにおけるコンセンサスに基づいた臨床診断基準を作成すべく、2008 年 1 月に小倉で国際シンポジウムが開催され、アジアからの臨床診断基準として提案されました。

膵癌
では 2006 年に上梓された「膵癌診療ガイドライン」の改訂に向けて準備が進められており、2008 年 5 月の第 94 回日本消化器病学会総会で公聴会が開催され、WEB上でも最終的な調整がなされています。

これらの動きをまとめた膵疾患へのアプローチでは、膵疾患全般にわたってそれぞれの病態や診断・治療を最新の知見を交えて具体的に解説し、臨床で役立つ実用的な書を目指して企画されたようです。

レジデントが持っていたので、さっそく借りてみました。カリパク予定なのでまだ斜め読みです。(笑)以下、大まかな内容です。

 急性膵炎は近年増加している炎症性疾患であり、治療法の改善によって予後は改善してきている。しかし、重症急性膵炎の致命率はなお高く、消化器領域では重要な疾患である。
診療の要点はいかに正確に診断し、発症早期に適切な初期治療を開始するかが鍵である。また、アルコール性と胆石性では治療内容に違いがあり、成因を考慮した診療方針を建てる必要がある。急性膵炎はダイナミックな疾患であり病状は変化しやすい。重症化の機序と病態、重症度判定基準をよく理解し、重症例への対応を熟知する必要がある。

 慢性膵炎も、アルコール消費量の増大とともに近年増加している疾患である。遺伝性膵炎や膵嚢胞線維症の原因遺伝子の発見によって膵炎発症の分子機序が明らかとなり、慢性膵炎の病態形成や自然史についても理解が深まりつつある。
慢性膵炎は非可逆性・進行性の病態と捉えられており、代償期・移行期・非代償期の病態をよく理解し、それぞれの病期ごとに適切な治療方針を建てることが大切である。
悪性腫瘍の合併頻度が高く、良性疾患でありながら予後の悪い疾患であることを認識することも大切である。
本書では試みとして、早期慢性膵炎をどのように捉えるか現時点の考え方を概説してある。

 自己免疫性膵炎は最近国際的にも注目を集めている疾患であるが、その疾患概念はなお流動的である。膵だけでなく全身多臓器に IgG4 陽性形質細胞が浸潤し臓器障害をきたす IgG4 関連硬化性疾患とする考え方が提唱されている。
最も重要な点は、腫瘤性病変として表れる限局性の自己免疫性膵炎と膵癌との鑑別である。自己免疫性膵炎は高齢,男性に多い疾患であり、しばしば黄疸で発症し、膵炎としての症状は軽いため臨床症状も膵癌と紛らわしい。
膵癌を限局性自己免疫性膵炎と誤診すると膵癌切除のタイミングを失う可能性がある。一方では,自己免疫性膵炎を膵癌と誤診すると高齢者に侵襲の大きな膵切除を行う可能性がある。自己免疫性膵炎のほとんどが速やかにステロイドに反応し軽快するため、無用な膵切除は是非とも避ける必要がある。

 腫瘍領域では画像装置の発達によって、診断のアルゴリズムが変化してきている。MDCT・MRCP・EUS・ERCP の役割をよく理解し、安全で速やかかつ正確な診断が要求される。
進行膵癌に対する治療も、塩酸ゲムシタビンの出現以来、その方針や内容は大きく変化してきた。2006年8月にはわが国で経口抗癌薬 TS-1 の膵癌への適応が認められ、治療の幅が広がった。
科学的根拠に基づく膵癌診療ガイドライン (2006年版)を中心に最新の治療法について理解を深めていきたい。
膵嚢胞性腫瘍では、特に良悪性の判断を如何に進めるか、鑑別を要する疾患にどのようなものがあるかを知ることが重要である。他の膵腫瘍性病変についても膵癌との鑑別点を押さえ、適切な治療方針を建てることが肝要である。




膵疾患へのアプローチ膵疾患へのアプローチ
(2008/10)
下瀬川 徹

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[ 2008/10/20 17:09 ] 膵炎 慢性膵炎 | TB(0) | CM(0)

肝・胆・膵疾患治療エビデンス

臨床に直結する肝・胆・膵疾患治療エビデンスという本を入手してきました。

 疾患治療エビデンスとあるのですが、疾患に関しては

[急性炎,重症急性炎]
 ●初期治療の重要性と最も優先すべき治療は何か?
 ●急性炎の重症度判定方法は?
 ●ICU管理を要する目安は何か? 高次医療施設へ転送するタイミングは?
 ●蛋白分解酵素阻害薬の有効性は?
 ●急性膵炎に対する鎮痛薬,抗菌薬の予防投与はどうするのか?
 ●急性膵炎に対する胃酸分泌抑制の有用性は?
 ●急性膵炎に対する膵動注療法のエビデンスは?(具体的適応基準はあるのか?)
 ●血液浄化療法はどのような場合に行うのか?
 ●選択的消化管除菌療法(SDD)のエビデンスは?
 ●石性膵炎の緊急ERCPのエビデンスは?
 ●外科治療に踏み切るポイントは?
 ●急性膵炎の回復期における食事開始時期はどうするか?
 ●重症急性膵炎における中心静脈栄養と経腸栄養に関するエビデンスは?
[慢性膵炎,膵性糖尿病]
 ●慢性膵炎疼痛に対する治療のエビデンスは?
 ●経口蛋白分解阻害薬の有効性は?
 ●消化酵素の大量投与は意義があるのか?
 ●慢性膵炎に対する内視鏡治療の適応と治療法の選択は?
 ●膵仮性嚢胞の治療適応と治療法のエビデンス
 ●膵石に対するESWLの有用性は?
 ●慢性膵炎の外科治療の方法とタイミングは?
 ●膵性糖尿病はどのように治療するのか?
[自己免疫性膵炎]
 ●診断基準と治療方針は?
[膵癌(通常型膵癌)]
 ●わが国の膵癌切除例の治療成績は?
 ●膵癌切除可能かどうかの判定基準は?
 ●術後補助化学療法のエビデンスは?
 ●放射線療法併用の有用性は?
 ●進行膵癌の疼痛コントロールはどのようにすべきか?
 ●進行膵癌に対する全身化学療法は?
 ●膵癌における閉塞性黄疸の治療はどうするか?
[腫瘍性嚢胞]
 ●IPMNの手術適応はどのように決めるのか?
 ●MCNの手術適応はどのように決めるのか?
[ERCP膵炎]
 ●ERCP膵炎に対する蛋白分解酵素阻害薬の予防的投与の有効性は?

以上の項目が掲載されていました。(太字は興味をもって購入した項目です)

急性膵炎に関しては何度も経験していますし、後は外科手術に踏み切るタイミングに興味がある方が多いのではないかと思います。

慢性膵炎については、気になる慢性疼痛に対してのエビデンス。
経口蛋白分解阻害薬(フオイパン)の有効性は?
膵仮性嚢胞の治療適応と治療法のエビデンス(内視鏡でやるのか腹腔膜鏡で行くのか?)
膵石に対するESWLの有用性は?(保険適用でできないものだろうか?)
慢性膵炎の外科治療の方法とタイミングは?(いろいろな術式と予後)
などに興味を引かれました。

また、膵炎を引き起こす原因になっているのではないかという

レンメル症候群は本当に存在するのか?十二指腸憩室は治療するのか?

というあまりふれられらない項目もありましたので、機会があれば追々紹介して行きたいと思っています。

臨床に直結する肝・胆・膵疾患治療エビデンス臨床に直結する肝・胆・膵疾患治療エビデンス
(2007/10)
跡見 裕

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[ 2008/10/20 12:00 ] 膵炎 治療・療養 | TB(0) | CM(0)

脂質異常症(高脂血症)

動脈硬化性疾患予防ガイドライン 2007年版 (2007)から、「高脂血症」が「脂質異常症」にあらためられました。

脂質異常症は急性膵炎を引き起こす原因の一つであるのはよく知られています。

動脈硬化性疾患予防ガイドライン 2007年版 (2007)によれば

脂質異常症の診断基準(空腹時採血)
高LDLコレステロール血症LDLコレステロール140mg/dL以上
低HDLコレステロール血症HDLコレステロール40mg/dL未満
高トリグリセライド血症トリグリセライド150mg/dL以上
  • この診断基準は薬物療法の開始基準を表記しているものではない。
  • 薬物療法の適応に関しては他の危険因子も勘案し決定されるべきである。
  • LDL-C値は直接測定法を用いるかFriedewaidの式で計算する。
  • [LDL-C]=[総コレステロール(TC)]-[HDL-C]-[トリグリセライド]×1/5
    (TG値が400mg/dL未満の場合)
  • TG値が400mg/dL以上の場合は直接測定法にてLDL-C値を測定する。


  • となっていますが、急性膵炎の原因として重要視されているのは、トリグリセライド(中性脂肪です。

    高トリグリセライド(中性脂肪)血症、中性脂肪(トリグリセリド)のみが高い場合。

    糖尿病、脂肪肝、通風、そして急性膵炎(増悪)を併発する可能性が高くなります。

    また、高中性脂肪もコレステロールほどではないが動脈硬化の危険因子のひとつとみなされており、特に血清コレステロールも同時に高値を示す場合では、さらに高い危険因子となります。
    そして、中性脂肪の異常高値(1,000mg/dl以上)は急性膵炎を引き起す恐れがあると考えられています。

    高トリグリセライド(中性脂肪)血症から急性膵炎を発症する機序は、増加した中性脂肪が、大量の脂肪酸とリゾレシチンになり、膵臓の組織を痛めるといわれていますが、詳細は不明です。
    血中に漏出したリパーゼによって遊離脂肪酸が増加し、これが肝臓での中性脂肪の合成を促進するので、急性膵炎(増悪)時には中性脂肪(トリグリセライド)の値が上昇していることがよくあります。

    高トリグリセライド(中性脂肪)血症の治療法としては、膵炎と同じく、まず第一に食事療法と運動療法です。改善が見られない場合は薬物療法と進みます。

     高トリグリセライド(中性脂肪)血症は膵炎、高血圧症や糖尿病と同様に、治る・治らないという言葉で表現される疾患ではありません。
    これらの疾患は、「生活習慣の改善などの一般療法」+「薬物療法」によって上手にコントロールする (高脂血症ならば適正なコレステロール値、中性脂肪値を維持する) 病気です。
    つまり、慢性膵炎と同じように、薬により治るわけではありません。
    薬が効いている間は検査値が下がりますが、薬を中止すれば段々と元の値に戻ります。
    しかし、不可逆性の膵臓病にくらべると、生活習慣の改善 (過食を避け脂肪分の少ない食事にする、適度な運動、減量など) によりコレステロールや中性脂肪の値は下がりやすいので、薬を減量、中止できる場合もあります。
    私も一時600以上に上がったことがあり投薬を受けましたが、食事と運動で現在は100前後の値を保っています。

    しかしながら、脂質異常症の場合はまったく症状がでませんので、継続して食事管理・運動を続けたり、治療を受ける、定期的に検査するなどという対策を途中で放棄してしまう患者さんが多いようです。
    このあたりは自己管理ができない患者が多い慢性膵炎と似ているかもしれません。(笑)



    [ 2008/10/19 22:16 ] 膵炎 急性膵炎 | TB(0) | CM(9)



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