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犬が優れている理由

今日で夏も終わり、明日からは秋がやってきます。

秋とは関係ないのですが、今日でマカフィーの期限が切れるので、
次は何を導入しようかと思ったあげく、
フリーで一番評価の高いAvira AntiVir PersonalEditionにしてみました。
結果...マカフィーで見つけられなかったウィルスが21個見つかりました。
しかも、スキャン速度は約倍、体感上の軽さも圧倒的。

他のマシンも更新期限が来たら切り替えましょう。

G DATAはここ1年トップの座を譲らない別格なので、これにしようかと思ったけど、Avira AntiVirも96%の駆除率があって軽いので入れちゃっいました。

市販ソフトの駆除率テスト8月度結果

01位 G DATA アンチウイルス2008--------99.43%
02位 Kaspersky アンチウイルス7.0--------98.26%
03位 Norton アンチウイルス2008---------97.72%
04位 Windows ライブ ワンケア----------97.41%
05位 F-Secure インターネットセキュリティ2008---96.29%
06位 NOD32アンチウイルスV2.7---------92.57%
07位 McAfee ウイルススキャンプラス-------92.21%
08位 ウイルスバスター 2008-----------90.47%
09位 ウイルスセキュリティ ZERO---------90.03%
10位 ウイルスキラー ゼロ------------84.26%


以前に書いたように我が家に仔犬がやってくるので、仔犬と一緒に小さな秋を探しに散歩することを日課にしようと思っています。

さて、この仔犬がやってくるにあたって、いろいろとお勧めの理由を聞きました。

犬が優れている理由

帰りが遅くなればなるほど、顔を合わせたときに興奮してくれる

犬は他の犬と遊んできても許してくれる

ある犬がとびきりルックスがよくても他の犬たちが嫉妬しまくったりしない

犬の名前を間違って呼んでも犬は気にしないでくれる

犬の性質は1ヶ月の間ずっと同じだ

床にものを落としても喜んでくれる

犬の両親が訪ねてくるなんてことはない

声を荒げてもそれに賛同してくれる

犬は財布や机ではなく、外を覗いてくれる

しゃべらない

外出の準備を待つ必要がまったく無い、24時間準備ができている

酔っ払っていても面白いと思ってくれる

他の犬を持って帰ってきても、両方と楽しく遊べる

新しい車を買おうとしても犬なら邪魔しない

他の犬のにおいが自分についても怒り狂ったりしない、興味深々になるだけ

犬は雑誌の記事に人生を左右されない

犬が家を出ていっても所有物を半分持っていくことはない

クリーム、アイボリー、オフホワイトの色の違いにかまわない

やっぱり犬にして良かった。(笑)
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[ 2008/08/31 16:39 ] いろいろ 日常生活 | TB(0) | CM(10)

膵炎診断基準改定

みなさんもご存知だと思いますが、膵炎の診断基準が改定されました。
まずは、直近10月1日から適用される、重症急性膵炎の基準です。

1.急性膵炎の診断基準

1.上腹部に急性腹痛発作と圧痛がある

2.血中、尿中に膵酵素の上昇がある

3.超音波、CT、MRIで膵に急性膵炎に伴う異常所見がある


上記3項目中2項目を満たし、他の膵疾患及び急性腹症を除外したものを急性膵炎とする。ただし、慢性膵炎の急性増悪は急性膵炎とする。
膵酵素は膵特異性の高いもの(膵アミラーゼ、リパーゼ)を測定することが望ましい。

この項目で、膵酵素は膵特異性の高いもの(膵アミラーゼ、リパーゼ)を測定することが望ましい。が追加され、以前は画像とだけしるしてあったものが、超音波、CT、MRIと明記されました。

2.重症度判定基準

A.予後因子

1. Base excess ≦ -3mEg/1 またはショック(収縮期血圧80mmHg)

2. PaO2 ≦ 60mmHG (room air) または呼吸不全(人工呼吸器を必要とするもの)

3. BUN ≧ 40mg/dl (もしくはCr ≧ 2mg/dl) または乏尿(輸液後も 400ml/1日以下)

4. LDHが基準値の2倍以上

5. 血小板数 ≦ 10万/mm3

6. 総Ca値 ≦ 7.5mg/dl

7. CRP ≧ 15mg/dl

8. SIRS診断基準による陽性項目数 ≧ 3

SIRS 診断基準項目:

 体温>38℃または<36℃

 脈拍>90回/分

 呼吸数20回/分 またはPaO2 ≦ 32mmHG

 白血球数>12000/mm3 もしくは<4000/mm3 または10%超の幼若球の出現

9. 年齢 ≧ 70歳

B.造影CT Grade

原則として発症後48時間以内に測定することとし、炎症の膵外進展度と、膵の造影不良域のスコアが、合計1点以下をGrade1、2点をGrade2、3点以上をGrade3とする。

 1.炎症の膵外進展度

  前腎傍腔:0点
  結腸間膜根部:1点
  腎下極以遠:2点

 2.膵の造影不良域

  膵を便宜的に3つの区域(膵頭・膵体・膵尾部)にわけ、

  各区域に限局、または膵周辺のみの場合:0点
  2つの区域にかかる場合           :1点
  2つの区域全体をしめる、またはそれ以上:2点

C.予後因子が3点以上またはCT Grade 2以上のものを重症とする


以前の診断基準からすると、判定基準がすっきりして客観的な診断基準となっているようです。

[ 2008/08/27 13:22 ] 膵炎 慢性膵炎 | TB(0) | CM(3)

EBMと診療ガイドライン

大野病院事件でも争点になった標準医療について取り上げたいと思います。

大野病院事件でもそうですが、その時点での標準的な医療を行うということが、現在の医療の基本となっています。

これには、患者が必要とされる水準の医療を受けられる施設への搬送という事も含まれています。
おおむね、医療機関はこの診療ガイドラインにそった治療を行う必要があります。
違う言い方をすれば、この診療ガイドラインにのっとった治療を行っていたか否かが、医療訴訟時のポイントにになります。

診療ガイドライン( Medical guideline)とは、医療現場において適切な診断と治療を補助することを目的として、病気の予防・診断・治療・予後予測など診療の根拠や手順についての最新の情報を専門家の手で分かりやすくまとめた指針です。単にガイドラインと言えば診療ガイドラインを示します。

このガイドライン作成時にポイントになるのが、根拠に基づいた医療(EBM:evidence-based medicine)です。エビデンス、あるいは、EBMと呼ばれます。

エビデンス(EBM)とは、「良心的に、明確に、分別を持って、最新最良の医学知見を用いる」("conscientious, explicit, and judicious use of current best evidence") 医療のあり方で、
治療効果・副作用・予後の臨床結果に基づき医療を行うというもので、医学誌の過去の臨床結果などを広く検索し、時には新たに臨床研究を行うことにより、なるべく客観的な疫学的観察や統計学による治療結果の比較に根拠を求めながら、患者とともに方針を決めることを心がけています。

ガイドラインではエビデンスに基づき推奨度、科学的根拠の強さが示されています。

* 有効性による分類

* A 強く勧められる
* B 勧められる
* C 勧められるだけの根拠が明確でない
* D 行わないよう勧められる

有効性による分類のことを、グレードとも呼ぶ。

* 研究デザインによる分類(若いほど科学的根拠が強い)

* I a 系統的レビュー・メタアナリシス
* I b ランダム化比較試験
* II a 非ランダム化比較試験
* II b その他の準実験的研究
* III 非実験的記述的研究 (比較研究、相関研究、症例対照研究など)
* IV 専門科委員会や権威者の意見


例えば、エビデンスに基づいた急性膵炎の診療ガイドラインによれば

治療部門

初期の十分な輸液投与:推奨度A

重症例に対する抗菌薬の予防的投与:推奨度A
軽症例に対する抗菌薬の予防的投与:推奨度D

重症例に対する蛋白分解酵素阻害薬の大量持続点滴静注:推奨度B

搬送基準

重症急性膵炎例の搬送:推奨度A
重症急性膵炎例は,モニタリングと全身管理が可能な医療施設に搬送し,診療することが望ましい。厚生労働省重症度スコア2点以上を搬送基準とする。

などと提示されています。

輸液については、どの段階の膵炎でも、A 強く勧められるとなっています。
一方、抗菌薬の予防的投与については、軽症はD 行わないよう勧められるに対して、重症例ではA 強く勧められると提示されています。
重症例に対するいわゆる動注療法については、B 勧められるとなっています。

また、高次医療施設への搬送については、厚生労働省重症度スコア2点以上でA 強く勧められると提示されています。

このように、診断・治療などほぼ疾患全ての流れに標準的な治療法とその推奨度が定められています。
この、ガイドラインは、ほぼ全ての医療機関に備わっていますので、どの医療機関でもガイダンスにそった標準治療が受けられることになっていますし、高次医療期間へ搬送しなければならない基準も示されています。
また、各疾患のガイドラインについては患者も書店などで手に入れることができます。

膵臓関係では、

エビデンスに基づいた急性膵炎の診療ガイドライン

科学的根拠に基づく膵癌診療ガイドライン (2006年版)

IPMN/MCN国際診療ガイドライン 日本語版・解説

などの診療ガイドラインが発売されています。

[ 2008/08/22 08:51 ] 膵炎 治療・療養 | TB(0) | CM(1)

だめかもしれない

福島県立大野病院の裁判、いわゆる大野病院事件でクローズアップされた、萎縮医療と事故調(医療安全調査委員会)についてとりあげようと調べていたのですが...

事故調については

医療安全調査委員会設置法案(仮称)大綱案
と、「事故調」 民主党案が、秋の国会で討議される予定です。

主な論点は以下の通りとされています。

 1.医療事故死等に関する届出の範囲
 2.医師法第二十一条の改正
 3.委員会の構成
 4.警察への通知を行う範囲
 5.警察による捜査との関係について
 6.医療事故調査の実施の体制整備について
 7.委員会を所管する府省について

さて、そんな渦中に

湯河原合宿は「ムダじゃない」 報道陣の批判に舛添厚労相は反論


2008.8.21 00:01

 厚生労働省は20日、医師不足対策などを検討する厚労相直属の有識者会議の合宿を、舛添要一厚労相らも参加して23日から2日間、神奈川県湯河原町で開くことを公表した。
舛添氏は20日、「少し日常から離れて、風呂にでもつかっていい発想を生み出してもらう。それでいい結果が出ればいい」と述べ、同町で合宿を行う意義を強調した。報道陣から「ムダ排除のご時世に反感が出るのでは」と問われた舛添氏は、
「これまでの委員の努力をねぎらって

一緒にメシを食うぐらい何で悪いのか!

ムダじゃない
と反論した。

ということだそうです。

先日は、1回戦負けしたニコラスに

「柔道着を着て『おれにやらせろ』と言いたい気持ちだ」

「攻める姿勢が全然ない。構えた瞬間の面構えが気迫に欠けている」と指摘。

「プレッシャーはあると思うが、勝負だから勝たないとダメ」と力を込め、

最後は

「この話だと生き生きする。年金の話よりもこちらの方が楽しい」と発言したかと思えば...

会議乱立は留任工作?舛添厚労相、一挙に4つ

 舛添要一厚生労働相は11日の記者会見で、厚労省改革の一環として、厚労相直属の有識者会議や省内組織を一挙に4つ立ち上げることを発表した。ほかにも7月中に設立予定の厚労相直属の有識者会議が医療と介護分野で1つずつあり、舛添氏自身も「整理がつきにくい」と認めるほどの乱立ぶり。今月末にも内閣改造が予想される中で、会議の結論がすべて秋以降となっており、与党内からは「留任運動か」と冷ややかな見方も広がっている。

などと保身に汲々としている始末...厚労相を「格上」副首相にとのロビー活動を忙しくされた身体を癒す為に、湯河原温泉に会議場を設けられたのでしょうか?(笑)


この国の医療はだめかもしれない...だ め ぽ




呆れて物も言えない

湯河原合宿を急遽キャンセル
                             産経新聞2008.8.21 20:02

 厚生労働省は21日、今週末に神奈川県湯河原町で開催予定だった医師不足対策などを検討する舛添要一厚労相直属の有識者会議の合宿を中止すると発表した。合宿日程は20日に公表したばかりで、わずか1日でキャンセルするドタバタぶり。
厚労省側は中止の理由を「都合による」としか説明していないが、温泉街で有名な同町での合宿に対し「ムダ遣い」との批判が出たことに配慮したものとみられる。
 合宿の中止は21日の有識者会議の直前に舛添氏が厚労省幹部と協議して決定。突然の通告に、委員の中には「わざわざ他の予定をキャンセルしたのに」と不満の声も。
 有識者会議の合宿は23、24日の2日間、同町役場で検討会を開き、舛添氏や委員のほか俳優の石坂浩二さんも出席予定だった。
23日夜には町内のホテルで懇談会もセットされていた。
 舛添氏は20日、合宿の意義について「少し日常から離れて、おいしいご飯を食べ、風呂にでもつかっていい発想を生み出してもらう」

「もっと豪華なところでやりたかったが、泊まるところに温泉がない」などと説明していた。


ただ、厚労省内から
「国民からムダと思われるようなことはしないほうがいい」「『大臣の別荘があるから湯河原でやるのでは』と不信の目で見られる」と見直しを求める意見も出ていた。

[ 2008/08/21 20:41 ] 膵炎 治療・療養 | TB(0) | CM(6)

腫瘍性膵嚢胞 2

膵臓に嚢胞(内部に液体が貯留した袋状のできもの)を作る腫瘍には、

粘液性嚢胞腫瘍漿液製嚢胞腫瘍、さらには膵管内腫瘍(粘液産生腫瘍)と呼ばれるものがあります。

粘液(ゼラチン様液体)を含んだ袋ということで粘液性嚢胞という名前が付いています。

嚢胞の中にさらさらした水様の液(漿液性)であれば漿液性嚢胞という診断になります。

また、腺腫というのは顕微鏡でみた時の診断名で一般的に良性腫瘍と考えてください。

もし、悪性であれば腺癌という診断になります。


漿液性嚢胞腫瘍

腺房細胞由来と推測されています。基本的に無症状です。

漿液性嚢胞腫瘍は、次の3つに分けられます

microcystic type
 

最も多いタイプで、割面では小嚢胞が集合し蜂巣状を示します。

macrocystic variant 

肉眼的にも確認可能な程度の比較的大きな嚢胞腔から構成されるタイプ。

solid variant

肉眼形態上で全く嚢胞の存在を認識できず、組織学的にも極めて小さな嚢胞からなるタイプ
画像診断では、しばしば充実性腫瘍との鑑別が困難です。


ほとんどが良性の腫瘍で、女性の膵尾部に好発するとされています。
粘液性嚢胞腫瘍と鑑別困難なときは縮小手術の適応となりますが、
それ以外は経過観察とするのが一般的です。

腫瘍は線維性の皮膜に覆われ、内部は小嚢胞からなるスポンジ様の腫瘍です。
数mm以下の微小嚢胞成分が多数集合しているため、
超音波像は高エコーの充実性腫瘍様で嚢胞状にはみえません。
単純CTで境界明瞭なスポンジ様の低吸収域、造影CTで嚢胞壁の増強、
超音波内視鏡(EUS)でスポンジ様が観察されます。


粘液性嚢胞腫瘍

良性、悪性ともにみられ、中年女性の膵体部~尾部に好発します。

基本的に単発性の嚢胞性腫瘍です。
比較的大きな嚢胞成分からなる単房性もしくは多房性腫瘍で、
隔壁や被膜には石灰化を高頻度で認めます。嚢胞は粘液成分からなり、
嚢胞内腔に突出する隆起や隔壁内の結節性病変をみた場合は悪性の所見を示唆します。

比較的厚い被膜を有する単房性~多房性の腫瘍で,内部には粘液が入っています。
被膜内に卵巣様間質がみられるのが特徴的です。
ほとんどすべてが女性にみられ,特に中年に多くみられます。
90%が膵体尾部に発生します。
症状はないこともありますが、腹痛や腹部のしこり、腹部膨満感が多いです。
悪性例は約40%にみられるため,発見された時点で手術の適応となります。

充実性偽乳頭腫瘍(Solid-pseudopapillary tumor)


若年女性に好発する予後のよい良性疾患で、以前はsolid and cystic tumorなどと呼ばれていました。
症状は腹痛や腹部のしこりを触れることが多いです。
一般的にはゆっくり大きくなる予後の良い腫瘍です。しかし、徐々にではあるものの大きくなることと、肝臓やリンパ節に転移することもあることから、診断がつけば腫瘍を摘出することが原則です。
この疾患は本来充実性腫瘍ですが、高頻度に腫瘍内に出血壊死をきたすため嚢胞成分を伴います。

[ 2008/08/21 15:02 ] 膵臓 すい臓癌 | TB(0) | CM(11)

大野病院事件報道 2

この裁判においては私が福島地裁判決理由要旨を読む限り

標準的な医療措置に関する証言は医療現場の実際をそのまま表現している

医療行為が患者の生命や身体に対する危険性があることは自明だし、そもそも医療行為の結果を正確に予測することは困難だ。

本件患者の死亡という結果は、癒着胎盤という疾病を原因とし、過失なき診療行為をもってしても避けられなかった結果と言わざるをえない。

◎実際の医療現場で、標準的に行われている医療措置は、それを持って、罰であるとはいえない。

◎ガイドラインに則った標準的医療の結果、その結果が悪いからといって、罰であるとはいえない。


といった、当たり前のことを再確認したに過ぎないと思うのです。

前記事にも載せた各紙社説もそうですが、ご遺族が感情的な意見を述べることは理解できますし、、「医療安全調査委員会」制度の早期発足を促すのもだいじでしょうが、争点に挙がっていない事を大きく取り上げ、肝心の判決理由要旨について解説し、この裁判の持つ意義を述べているマスコミは少ないように思います。

この裁判では、加藤医師の行った行為が標準的な医療措置(ガイドラインに則った治療)であったかどうかが争われたのですが、判決に大きな影響を及ぼしたのは証人・証言の確かさでなかったかと思います。

 証言した医師のうち、C医師のみが検察官の主張と同趣旨の見解を述べている。だが、同医師は腫瘍(しゅよう)が専門で癒着胎盤の治療経験に乏しいこと、鑑定や証言は自分の直接の臨床経験に基づくものではなく、主として医学書などの文献に頼ったものであることからすれば、鑑定結果と証言内容を癒着胎盤に関する標準的な医療措置と理解することは相当でない。

 他方、D医師、E医師の産科の臨床経験の豊富さ、専門知識の確かさは、その経歴のみならず、証言内容からもくみとることができ、少なくとも癒着胎盤に関する標準的な医療措置に関する証言は医療現場の実際をそのまま表現していると認められる。

検察側証人C医師の証言は医療措置と理解することは相当でない。と、されたのに対して、弁護人側証人D,E医師の証言は、標準的な医療措置に関する証言は医療現場の実際をそのまま表現していると認められる。と、されています。

前掲の読売新聞には実名で出ています。

 事件で問われたのは、女性の胎盤に対する処置。女性は胎盤が通常より低い位置にある「前置胎盤」で、産道につながる子宮口を完全に覆っていた。さらに「癒着胎盤」を起こし、胎盤を無理にはがすと大量出血する恐れがあった。癒着胎盤の処置を巡り、公判では「子宮摘出に移るべきだった」とする検察側と、「最後まではがすのが標準的な医療」とする弁護側が激しい応酬を繰り広げた。

 弁護側は、周産期医療の権威とされる池ノ上克(つよむ)・宮崎大医学部長と岡村州博(くにひろ)・東北大教授を証人に呼んだ。2人は「被告の処置に間違いはない」と述べた。

 これに対し、検察側の立証は押され気味となった。検察側証人の田中憲一・新潟大教授は「はがすのが難しくなった時点で、直ちに子宮摘出に移るべき」と証言したものの、どの時点で子宮摘出を決断するかについては、「そこは医師の判断」と断言を避けた。


検察側は腫瘍が専門で癒着胎盤の治療経験に乏しい医師をなんとか見つけ出して証言台に多々下のに対して、弁護側は日本医療界の総力で支援されて、周産期医療の権威とされる2名の証言。
これでは勝負の行方は明らかです。

EBMを考えた産婦人科ガイドラインUpdate [改訂第2版]など、ガイドラインが出来ていますので、訴訟になったときはこのガイドラインに沿った判断・治療が行われていたかが、判断の目安になるでしょう。

このような事件では、医療という専門分野で過失があったかどうかを争っているのですから、私達にはわからないような専門的な議論が中心になっていると思ういます。それを、わかりやすく伝えるのこと、物事の本質を伝えることがマスコミの使命ともいえるんじゃないかぁと思うのですが、今回の判決後の報道にしても、マスコミはわざと目をそらしているのか、本当に理解出来ていないのかは不明ですが報道するメインテーマが斜め上を行っているように思いました。

地方紙ですが、神戸新聞は判決要旨を下の通り報じています。

また、同じく地方紙ですが北國新聞はこう述べています。

 検察側の判断によって高裁、最高裁までいく可能性が否定できない。が、福島地裁の判決はよくできている。すなわち、一刻を争う切迫した状況の下で、非常に難しい判断を迫られる医療現場や、医療措置の在り方から医師の判断に誤りがあったとはいえないとしている。

 子どもは助かったが、亡くなった女性は極めてまれな子宮に胎盤が強く癒着した例だった。が、処置の極めて難しい例でも、担当医が責任を追及されることが多いため、たとえば、昭和大医学部の産婦人科講座の岡井崇・主任教授は自らの体験もまじえた物語「ノーフォールト」を著した。

 医師に神のごとき完全さを求め、期待に反すると訴訟に踏み切る風潮に反省を求め、そうした風潮が結果として医師と患者の遺族を苦しめる現実を生み出していると指摘し、医療過誤がなくても遺族に補償を与える制度の必要性を提起している。


[ 2008/08/21 13:34 ] いろいろ 日常生活 | TB(0) | CM(2)

大野病院事件への報道

大野病院事件の報道・会見・新聞各社の社説等についてまとめて見ました。

まだまだ、各界からのコメントがでるものと思われますが、今朝までに会見等が行われたものを載せて見ました。判決諭旨はこちらに載せてあります。

関係者のコメントでは、被告・被害者・検察の他に被告を支援して来た団体からのコメントが出ており、個人的に支援されていた産科医の方々はブログなどに寄せられています。

私が感じたのは、遺族の会見でお父さんが述べられていた「私が本当に知りたいのは、手術中の詳細なやりとりではなく、(加藤医師が)どうして態勢の整った病院に娘を移さなかったのかということだった。裁判では明らかにされず悔しい。」という言葉に、あれ、そうだったの?と思いました、この裁判の報道では表にでてたのでしょうか?
加藤医師が別の病院に娘さんを移送しなかったことは裁判の争点にはなっていません。
争点ではないわけですから、移送しなかったことをメインテーマにこの事件を、世間に訴えて行くことはできません。このことはほとんど報道されていなかったと思いますし、各紙の社説でも取り上げられていません。何故?
これは、お父さん、悔しくてたまらないだろうなと思います。自分が訴えたいこととは別のところで裁判が進んで行き、マスメディアも「医療叩き」から変化していき、訴えたいことが届かない。
この裁判、これで終わるのか続くのが現時点ではわかりませんが、これを機に、医療も良い方に変わってもらえたら」と理由を説明。また、国が進めている“医療版事故調”設置については「真実を説明してもらえる機関になってもらいたい」。という願いも届かないという事にならないようにと思っています。

いったいこの裁判にどんな意味があったのか?
検察は文字通り敗北し、医療側も崩壊がいっそう進み、遺族の思いは空回りし、マスコミは迷走を深め、行政はますます無能さを露呈し、市民は不安感がつのるばかり...

しかし、被害者(と呼称するには違和感がありますが)の遺族の方の思い、医療体制の見直しと、不当逮捕(と私は思っています)についてはそれぞれ別の観点から見なければいけないんじゃないかなと思いました。

報道については、判決後にやや論調が変化しているように思います。これは、各医療関係者のブログなどを中心とした主張もそうですが、医療事故を刑事事件として扱うことに対して危機感を抱いた現場の医師が、そして様々な学会・医療関係団体などが論陣を張り一つ社会運動となった頃から、迎合しない意見、いろんな観点から検証しようとすることなど、あってしかるべきモノが隠れてしまったということも合わせて、すこしいびつな形ではないかなと思います。

亡くなられた妊婦の安全を第一に考えれば、他に選ぶべき選択肢があったはずだ(おそらく遺族の主張はこうではないかと私は感じました。)と公に発言することは、多くの攻撃を医療関係者、知識人から受けることになるでしょう。そのためなのか、妊婦の命が失われたという大きな事実を真正面から捉えて発言する人は医師の中には見当たらず、被告の過失があったかなかった、逮捕・起訴が妥当であったのかへ争点が集中しすぎているように思いました。

また、今回のニュースで幾度となく出てくるであろう「医療事故調査委員会(仮称)」これを推し進めている厚生労働省のコメントが出てこないのは何故なのでしょうか?

無罪の加藤医師が会見 「ほっとした」 大野病院事件   産経 新聞

 無罪判決を受けた加藤克彦医師(40)は20日午後、福島市内で記者会見し、「ほっとした」と胸の内を率直に語り、「今後は、地域医療の現場で患者にできることを精いっぱいやっていきたい」と、現場復帰の意思を明らかにした。

 主任弁護人の平岩敬一弁護士は判決を評価するとともに、「医師に不安が広まったことや、産科医の減少といった悪影響がなくなればいい」と話した。

死亡女性の父親が会見 「非常に残念」 大野病院事件   産経 新聞

「私が本当に知りたいのは、手術中の詳細なやりとりではなく、(加藤医師が)どうして態勢の整った病院に娘を移さなかったのかということだった。裁判では明らかにされず悔しい。命を預かっている以上、すべての不安を取り除いて臨んでほしかった」と、不満をあらわにした。

一方、捜査機関に対しては「自分1人ではここまでこられなかった。裁判になったおかげで分かったことがたくさんあった」と感謝の気持ちを口にした。

「逮捕は正当」 県警と地検がコメント 大野病院事件   産経 新聞

県警の佐々木賢刑事総務課長は「県警として捜査を尽くした。判決についてはコメントできる立場にない」と言及を避けた。また、加藤医師を逮捕したことについても「法律と証拠に基づいて必要性を慎重に検討し、正当な手続きを経て逮捕した」と話すにとどめた。

 一方、福島地検の村上満男次席検事は「当方の主張が認められず残念。今後は判決内容を精査し、上級庁と協議の上、適切に対処したい」とする談話を発表した。

大野病院事件「妥当な判決」 日産婦学会が声明
   産経 新聞

 福島地裁の無罪判決を受け、日本産科婦人科学会の吉村泰典理事長は20日昼、記者会見し「実地医療の困難さとリスクに理解を示した妥当な判決」と判決を評価。

日本生殖医学会も歓迎 大野病院事件無罪判決
   産経 新聞

「医療提供者には常にベストを尽くして治療する義務がある」とした上で「全力を尽くしても、治療結果は個別で異なり、最終的に最悪の結果になる場合がある。これは社会の常識で、法律上も正しいと判断された」

無罪に対し何をすべきか―日病・山本会長   CBニュース

日本病院会(日病)の山本修三会長は8月20日、キャリアブレインの取材に対し、「医療関係者として、少しほっとしている」と安堵(あんど)の表情を浮かべながらも、「29歳のお母さんが亡くなったという事実を忘れてはならない」と、遺族の感情に配慮を示した。また、山本会長は「無罪になったが、『これでよかった』と終わってはいけない。無罪に対して、われわれ医療者は何をすべきか」と語り、医療事故の原因を調査する「医療安全調査委員会」(仮称)の設置に意欲を見せた。

大手各紙の社説等


「産科医無罪―医療再生のきっかけに」~朝日新聞社説


 判決は医療界の常識に沿ったものであり、納得できる。検察にとっても、これ以上争う意味はあるまい。控訴をすべきではない。今回の件では、捜査するにしても、医師を逮捕、起訴したことに無理があったのではないか。

 慣れない手術でまるで練習台のように患者を使う。カルテを改ざんする。そうした悪質な行為については、これまで通り刑事責任が問われるべきだが、そうでないケースについては捜査当局は介入を控えるべきだろう。

 今回の立件は、医師の間から「ある確率で起きる不可避な事態にまで刑事責任が問われるなら、医療は成り立たない」と反発を招き、全国的な産科医不足に拍車をかける結果にもなった。産科の診療をやめた病院も多い。

 無罪判決に、全国の医師らはほっとしたに違いない。だが、捜査当局が立件しようとした背景に、医師に対する患者や家族の不信感があることを忘れてもらっては困る。この判決を機に、医療の再生を図れるかどうかは、医療機関や医師たちの肩にかかっている。


産科医無罪 医療安全調査委の実現を急げ 読売社説

 そもそも、医師を逮捕までする必要があったのだろうか。疑問を禁じ得ない。

 まだ1審であり、医師の無罪が確定したわけではない。だが、医療事故に関して、警察がいきなり捜査に入る現状は危うい。

 刑事責任を問うべきほどの事案かどうかは、まず中立的な専門機関で判断した方がいい。厚生労働省が検討中の「医療安全調査委員会」の創設を急ぐべきだ。

 調査委構想は法案化目前まで煮詰まってきた。ところが医療界の中に、警察に通知する仕組みがある限り反対するとの声が強く、足踏みしている。

 悪質な事例を通知するのは当然だろう。犯罪の可能性があるのに通知しないのならば、調査委ができたとしても、警察が直接捜査に乗り出す状況は変わるまい。

産科医無罪判決 医療を萎縮させぬ捜査を 産経新聞

 医療を萎縮(いしゅく)させないために、捜査当局は幅広く専門家の意見を聞くなどもっと慎重に対応すべきだった。
逮捕せずに書類送検で在宅起訴して刑事立件する捜査手法もあったはずだ。ただ、今後、
医療過誤に対する捜査も萎縮するような事態は避けたい。
 手術には医師の予測を超える事態も起こり、大なり小なり危険は付きものである。だからといって救命の手は緩めてはならない。
医療は患者のためにある。治療の前に患者側にインフォームドコンセント(説明と同意)を十分行い、
難しい局面を経験と知識で乗り切って患者の命を救おうと努めるのが医師の使命だろう。
 判決は「警察への届け出義務はなかった」とも判断した。医師法は病死と断定できず、異状があると認められたときは
警察に届け出るよう医師に義務付けている。だが、異状死に明確な定義がない。これも法律整備が求められる。
 今回の判決は創設が検討されている「医療安全調査委員会」制度にも大きな影響を与えるだろうが、この制度は事故原因を究明し、
真に再発防止を目指す組織でなければ意味がない。


帝王切開判決 公正中立な医療審査の確立を 毎日新聞 社説

 「癒着胎盤」という極めてまれな疾患に見舞われたケースだが、判決は手術中の大量出血のおそれを予見したり、手術方法の変更によって「結果回避の可能性があった」と認定した。刑事責任は認められないが、最善の医療ではなかった、とも読み取れる内容だ。

 事故は産婦人科の医師不足が深刻化する中で起きたため、医師が萎縮(いしゅく)すると懸念する声が医療界に広がり、福島県警の捜査で産婦人科離れが加速した、と指摘された。日本産科婦人科学会などは「通常の医療行為で刑事責任を問われたのでは医療は成り立たない」と執刀医の逮捕、起訴を批判した。

 しかし、こうした考え方が市民にすんなり受け入れられるだろうか。医師の資質を疑いたくなるような医療事故が繰り返されており、医療従事者の隠ぺい体質や仲間意識の強さ、学閥を背景にしたかばい合いの常態化などを考慮すれば、慎重な調査、検証は欠かせない。県警が異例の強制捜査に踏み切ったのも、社会に渦巻く医療への不信を意識したればこそだろう。

 カルテやレセプト(診療報酬明細書)の開示の徹底など開かれた医療の実現が前提条件となることは言うまでもない。判決は、医師に警察署への届け出を義務づけている「異状死」に、患者が診療を受けている疾病で死亡した場合は該当しない、との判断を示したが、事故死については第三者の判断を仰ぐべきだ。医師は事故を隠さず、患者側には納得のいく説明を尽くす。それが医療の信頼回復にもつながるはずだ。


[ 2008/08/21 06:58 ] いろいろ 日常生活 | TB(0) | CM(3)

腫瘍性膵嚢胞

膵管内乳頭粘液性腫瘍(Intraductal papillary mucinous of the pancreas:IPMN)
IPMN/MCN国際診療ガイドライン 日本語版・解説から

すい臓腫瘍にはかたい「かたまり」をつくる膵がん、ブドウの実のような「ふくろ」をつくる膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)などがあります。

急性膵炎や慢性膵炎のためにできる嚢胞は炎症や膵管閉塞のためですが、それ以外のものの多くは膵管の粘膜に粘液をつくる腫瘍細胞が発生したことによります。これを膵管内乳頭粘液性腫瘍intraductal papillary mucinous neoplasm(IPMN)といいます。

IPMNは、現在では大きく主膵管型、分枝型、混合型の3つの型に分類されるようになっています。

主膵管型は、組織学的には腺がんにあたり、粘液産生量が多かったために膵管の出口である十二指腸乳頭が開大して鯉の口のような特徴があります。
主膵管型は約80%以上が悪性なので手術適応となります。

分枝型は、主膵管型が内視鏡で発見される例が増加し、超音波やCTなどの画像診断法の発達普及とあいまって、腫瘍が産生する粘液量が少ないときはこの特徴を呈さない症例があることがわかり、その後、主膵管の拡張のないIPMNの分枝型の存在も知られてきました。
分岐膵管内に存在する3cm以内の分岐型腫瘍で、腫瘍内に充実生成分がなく主膵管も拡張していないものでは殆どが、良性の線種で経過観察することが一般的です。

混合型は主膵管型と分枝型の混合したもです。

主膵管型と分枝型で比較すると、主膵管型に悪性のものが多く約80%は悪性です。一方、分枝型の悪性の頻度は約20%です。
男女比は2:1と男性に多く、男女ともに高齢者に多く認められ、好発部位は膵頭部です。

症状
としては腹痛が52%と最も多いが、無症状で偶然に発見される例も9%にみられ、閉塞性黄疸は通常型膵癌と異なり18%と少ない。
その他、疲労感、体重減少、発熱などがみられる。臨床経過中に急性膵炎を発症する頻度が高いことや、糖尿病の合併が55%程度にみられます
IPMN全体の手術例の5年生存率は78%で通常型膵癌に比較して良好な予後が得られます。しかし多臓器浸潤や穿破したものの予後は悪くなっています。

IPMNは良性の過形成・腺腫から悪性の腺がんまで組織学的にさまざまのものがあり、良性から悪性へと次第に変化して行くことがわかっています。

2008年1月までに国立がんセンター東病院で切除を受けた患者100人の内訳は、良性の腺種37例
悪性の腺癌63例。
悪性の腺癌63例の予後は、予後不良の浸潤癌36例で。
つまり、良性1/3、悪性(予後良好)1/3、悪性(予後不良)1/3となっています。
IPMN由来の悪性浸潤癌の5年生存率は32%となっています。


悪性化しても膵管内に留まる間は良いのですが、一旦膵管の外、つまり膵の実質へと浸潤し始めると通常型の膵がんと同様に強い浸潤傾向と転移能を持つようになることも明らかになってきました。にも拘わらず膵がんなのに予後が良かったのは、この腫瘍が産生する粘液によって膵管分枝や主膵管の拡張をきたすために発見され易かったためと思われます。

発がんの頻度もわかって来ていて、主膵管型では平均70%、分枝型では平均25%と、主膵管型にずっと多く、内部に充実性の大きい隆起を持つものはがんが多いことも判明しました。

 IPMNのもう1つのポイントは、それ自体ががん化するという特徴ばかりでなく、IPMNを有する患者は胃・大腸などの他の臓器にがんをつくり易いこと、さらに膵臓のIPMN以外の部位にも膵がんをつくり易いということです。

手術を要しないIPMN例でも、またIPMN切除後の症例であっても、1-2年毎に全身臓器の検診が必要と言うことができると思います。

昨年行われた、第15回欧州消化器病学会週間で膵管内乳頭粘液性腫瘍の患者に対し、術前の超音波内視鏡検査(EUS)によって悪性度を予測し、それを手術で得られた組織標本と比較したところ、良好な結果が得られたと、フランスのBeaujon病院のDermot O'Toole氏からの発表がありました。

膵管内乳頭粘液性腫瘍で手術を受けた患者103人(男性51人、女性52人、平均年齢61歳)。EUSによって手術前に腫瘍のタイプおよび悪性度を評価し、得られた組織標本と結果を比較した。膵管内乳頭粘液性腫瘍は、腫瘍が主膵管や枝分かれした膵管に存在したり、またはその両方に広がっているなど、多彩な病態を呈するのが特徴。

 組織標本では、腫瘍は主膵管のみが3人、枝分かれした膵管のみが33人、混在型が67人だった。EUSによる術前評価の精度をみると、主膵管が含まれていると予測できたのは91%、枝分かれした膵管が含まれていると予測できたのが93%だった。

 また、組織標本では、悪性腫瘍は47人で、このうち進行癌は23人でEUSの進行癌を予測する精度は70%だった。O'Toole氏は、「解析の結果、主膵管の直径や厚みなど、癌の進行度とかかわりが深い要素が幾つかあった。
手術前に膵管内の癌の広がりを確認し、悪性度を予測するにはEUSが優れていることが確認できた」と話した。

九州大臨床・腫瘍外科、田中教授によれば「IPMNは、いろんながん、特に健康診断では見つかりにくい膵がんの発生を予告する旗印になり得る」。これを目印に、腹部超音波などで検診すれば、早期膵がん発見が期待できる。「ブドウの実」が膵がん治療の鍵を握っているかもしれません。



関連記事 : 膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)

[ 2008/08/20 20:32 ] 膵臓 すい臓癌 | TB(0) | CM(69)

腫瘤形成性膵炎

腫瘤形成性膵炎 慢性膵炎の一種です。

膵が限局性に腫大、あるいは腫瘤を形成し膵管を圧迫しているようにみえます。

膵癌では腫瘍が膵管を圧迫して、膵管が狭窄を起こすのですが、この腫瘤形成性膵炎の場合も同じようなことがおこります。近傍の膵管や総胆管にはしばしば狭小化所見が認められます。

膵の萎縮や主膵管の拡張および膵石を特徴とすることから、主な成因はアルコール性と考えられます。特徴としては自己免疫性膵炎と同じような病状・病態ですが、自己免疫性膵炎は高γグロブリン血症を伴うので検査によって判別出来ます。

自己免疫性膵炎とはその発症に自己免疫機序の関与が疑われる膵炎で、
次の(1)と(2)、あるい(1)と(3)があれば自己免疫性膵炎と診断します。
(1)膵臓が腫大し、膵管が細くなっている。
(2)血液検査で、免疫グロブリンが高値を示す(高γグロブリン血症、高IgG血症、高IgG4血症)か自己抗体が存在する。
(3)膵臓の組織に特徴的な所見がある。
中高年の男性に多く、黄疸、上腹部不快感、糖尿病を認めることが多いのが特徴です。
自己免疫性膵炎ではステロイド治療が有用ですが、膵臓癌との鑑別が重要ですので、膵臓の専門家を受診されることを勧めます。


前述したように、切除してから癌ではなかったとわかることもあるほど、判別が困難な例もあるのですが、一般的に鑑別する方法は、

腫瘤形成性膵炎浸潤性膵管癌とは異なり、CTにて腫瘤内に石灰化を伴うことがあります。

またCT,MRI,ERCPにて腫瘤内の主膵管が閉塞せずに貫通している状態にあります。

膵癌ではガタガタで局所的におこりがちな狭窄が、腫瘤形成性膵炎では、膵癌と比較し広い範囲でなだらかな場合が多い。

膵癌は浸潤早期から膵周囲の脈管、とくに膵周囲静脈の閉塞を伴うが、腫瘤形成性膵炎では、膵周囲組織の濃度上昇などの異常所見がみられる場合でも膵周囲静脈の閉塞が乏しく貫通していることが多い。

CA19-9などの腫瘍マーカーも、CA19-19は膵癌で67~73%に上昇を認める、もっとも感度の高い膵癌の腫瘍マーカーですが、stageⅠでの陽性率は5%以下であり、慢性膵炎そのものも通常の場合より高値を示すため決め手にはなりません。

膵液解析としては、細胞診とK-ras geneの点突然変異の解析が一般的に行われています。
最近では、分子生物学の進歩に伴い,p53,APC,DPC4,テロメラーゼなどの膵液解析が行われているようです。
細胞診は特異度は高いが感度が低く、偽陰性の率が高、膵癌に対する膵液細胞診の陽性率は30~70%と幅があり、診断が難しいとされています。
膵管生検(病変のある臓器から組織を一部取り出し、顕微鏡で観察する検査)などとともに、これらの検査はERCP,EUSなどで行うため患者の負担も大きくなりまが、画像上酷似しており、鑑別が困難な場合はやはり生検を行わなければ、膵がんなのか、腫瘤形成性膵炎なのかの確定は非常に難しいと言えます。

生検で組織を取り出し、顕微鏡で観察するこの方法を病理組織検査といいますが、その方法には以下の3つがあります。

臓器組織の一部を針やメスで採取する(ERCPやEUSなどの検査を行いながら、病変部から組織を採取することも含まれる)

術中迅速病理診断
(手術をしながら、病変組織を切り取って速やかに検査し診断する)

手術で摘出した臓器や組織について、悪性細胞の有無などを検査する方法

以上のように、結局、切ってみなければわからないと言う場合もあるのが、腫瘤形成性膵炎です。


術中迅速病理診断
の場合は良性と判断された時点で手術を中止する場合もありますし、慢性膵炎(腫瘤形成性膵炎)に対する外科的手術に切り替える場合もあります。

*大阪成人病センターでは、膵を膵頭部、膵体部、膵尾部に3分割して術中迅速病理診断により、必要な部分だけを切除して残りの部位を縫合するという術式ですい臓癌に対する施術を行い術後のQOLを高くするようにされているケースもあるようです。

[ 2008/08/20 20:32 ] 膵炎 慢性膵炎 | TB(0) | CM(3)

福島県立大野病院事件

はじめに、本件の手術で亡くなられた方、およびご遺族の方々に対して謹んで哀悼の意を表します。

様々な意見があろうかと思いますが、福島地裁判決理由要旨です。

たわごとにコメントしようとしたのですが、コメントで書きかけはねられてしまったので「医療の質」について次回にでも記事にしたいと思います。合併症は膵炎、膵癌など膵臓病で内視鏡的処置、外科手術を受けるにあたっては避けられないものです。

福島県立大野病院で帝王切開手術を受けた女性患者が死亡した事件で、福島地裁が言い渡した無罪判決の理由の要旨は次の通り。

 【業務上過失致死】

 ●死因と行為との因果関係など

 鑑定などによると、患者の死因は失血死で、被告の胎盤剥離(はくり)行為と死亡の間には因果関係が認められる。癒着胎盤を無理に剥(は)がすことが、大量出血を引き起こし、母胎死亡の原因となり得ることは、被告が所持していたものを含めた医学書に記載されており、剥離を継続すれば患者の生命に危機が及ぶおそれがあったことを予見する可能性はあった。胎盤剥離を中止して子宮摘出手術などに移行した場合に予想される出血量は、胎盤剥離を継続した場合と比較すれば相当少ないということは可能だから、結果回避可能性があったと理解するのが相当だ。

 ●医学的準則と胎盤剥離中止義務について

 本件では、癒着胎盤の剥離を中止し、子宮摘出手術などに移行した具体的な臨床症例は検察官、被告側のいずれからも提示されず、法廷で証言した各医師も言及していない。

 証言した医師のうち、C医師のみが検察官の主張と同趣旨の見解を述べている。だが、同医師は腫瘍(しゅよう)が専門で癒着胎盤の治療経験に乏しいこと、鑑定や証言は自分の直接の臨床経験に基づくものではなく、主として医学書などの文献に頼ったものであることからすれば、鑑定結果と証言内容を癒着胎盤に関する標準的な医療措置と理解することは相当でない。

 他方、D医師、E医師の産科の臨床経験の豊富さ、専門知識の確かさは、その経歴のみならず、証言内容からもくみとることができ、少なくとも癒着胎盤に関する標準的な医療措置に関する証言は医療現場の実際をそのまま表現していると認められる。

 そうすると、本件ではD、E両医師の証言などから「剥離を開始した後は、出血をしていても胎盤剥離を完了させ、子宮の収縮を期待するとともに止血操作を行い、それでもコントロールできない大量出血をする場合には子宮を摘出する」ということが、臨床上の標準的な医療措置と理解するのが相当だ。

検察官は癒着胎盤と認識した以上、直ちに胎盤剥離を中止して子宮摘出手術などに移行することが医学的準則であり、被告には剥離を中止する義務があったと主張する。これは医学書の一部の見解に依拠したと評価することができるが、採用できない。

 医師に医療措置上の行為義務を負わせ、その義務に反した者には刑罰を科する基準となり得る医学的準則は、臨床に携わる医師がその場面に直面した場合、ほとんどの者がその基準に従った医療措置を講じているといえる程度の一般性、通有性がなければならない。なぜなら、このように理解しなければ、医療措置と一部の医学書に記載されている内容に齟齬(そご)があるような場合に、医師は容易、迅速に治療法の選択ができなくなり、医療現場に混乱をもたらすことになり、刑罰が科される基準が不明確となるからだ。

 この点について、検察官は一部の医学書やC医師の鑑定に依拠した準則を主張しているが、これが医師らに広く認識され、その準則に則した臨床例が多く存在するといった点に関する立証はされていない。

 また、医療行為が患者の生命や身体に対する危険性があることは自明だし、そもそも医療行為の結果を正確に予測することは困難だ。医療行為を中止する義務があるとするためには、検察官が、当該行為が危険があるということだけでなく、当該行為を中止しない場合の危険性を具体的に明らかにしたうえで、より適切な方法が他にあることを立証しなければならず、このような立証を具体的に行うためには少なくとも相当数の根拠となる臨床症例の提示が必要不可欠だといえる。

 しかし、検察官は主張を根拠づける臨床症例を何ら提示していない。被告が胎盤剥離を中止しなかった場合の具体的な危険性が証明されているとはいえない。

 本件では、検察官が主張するような内容が医学的準則だったと認めることはできないし、具体的な危険性などを根拠に、胎盤剥離を中止すべき義務があったと認めることもできず、被告が従うべき注意義務の証明がない。

 【医師法違反】

 本件患者の死亡という結果は、癒着胎盤という疾病を原因とする、過失なき診療行為をもってしても避けられなかった結果といわざるを得ないから、医師法にいう異状がある場合に該当するということはできない。その余について検討するまでもなく、医師法違反の罪は成立しない。



[ 2008/08/20 20:29 ] いろいろ 日常生活 | TB(0) | CM(2)



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