慢性膵炎 診療ガイドライン 予後

日本消化器病学会編集によるオフィシャルなガイドラインとして慢性膵炎診療ガイドラインが発刊されました。慢性膵炎に関わる膨大な文献を吟味し、診療上で問題となるクリニカルクエスチョン(CQ)に対して、推奨グレードとエビデンスレベルを明記して診療の指針を示してあります。
慢性膵炎の診断、病期診断、治療、予後の現時点における標準的内容がわかるようになっています。

慢性膵炎 診療ガイドライン

慢性膵炎診療ガイドライン

予後

・CQ4-01 内視鏡的治療は慢性膵炎の病態進行の阻止に有効か?

有効とする根拠に乏しい C2 海外 IV a 日本 IV a

・CQ4-02外科手術は慢性膵炎の病態進行の阻止に有効か? 

膵内外分泌機能が保持されている代償期に行われた膵管ドレナージ手術は、膵内外分泌機能障害の進行を遅らせる。 B 海外 II 日本 IV b

・CQ4-03 慢性膵炎は癌合併の高リスク群か? 

慢性膵炎は膵癌合併のリスクが高い 海外I 日本 IV a

以外の癌合併のリスクについては明らかでないが、慢性膵炎の死因別分析では悪性新生物が最も多い  海外 I 日本 Iva

・CQ4-04 患者の生命予後は何によって規定されるか? 

死亡原因は悪性腫瘍(特に膵癌)、腎不全糖尿病である。予後と関連する因子はアルコール膵炎では診断時の年齢、喫煙、糖尿病、男性、疼痛経過、飲酒継続であり、非アルコール性では診断時の年齢、糖尿病、喫煙である。海外N/A 日本IV a

アルコール性膵炎は非アルコール性膵炎よりも予後不良である。 海外 N/A 日本 IV a

・CQ4-05 慢性膵炎患者に対してどのような経過観察が必要か? 

腹痛、膵酵素、膵内外分泌機能及び膵の画像上の変化を長期にわたり定期的に経過観察する必要がある。 C1 海外 IV a 日本 IV a

飲酒および喫煙状態を経過観察して、アルコール性では禁酒を、成因にかかわらず禁煙を指導する必要がある。 B 海外 IV a 日本 IV a

膵癌の合併頻度が高い状態を考慮した経過観察が必要である。 B 海外 IV a 日本 IV a


[ 2009/10/29 14:59 ] 膵炎 慢性膵炎 | TB(0) | CM(2)

慢性膵炎 診療ガイドライン治療2

日本消化器病学会編集によるオフィシャルなガイドラインとして慢性膵炎診療ガイドラインが発刊されました。慢性膵炎に関わる膨大な文献を吟味し、診療上で問題となるクリニカルクエスチョン(CQ)に対して、推奨グレードとエビデンスレベルを明記して診療の指針を示してあります。
慢性膵炎の診断、病期診断、治療、予後の現時点における標準的内容がわかるようになっています。

慢性膵炎 診療ガイドライン

慢性膵炎診療ガイドライン


治療2

・CQ3-21 消化酵素薬は慢性膵炎治療に有効か? 

脂肪便と体重減少を伴う慢性膵炎には消化酵素薬は有効である。A 海外 II 日本 V

消化酵素薬は腹痛、腹部不快感、便通障害などの慢性膵炎症状の改善に有効な場合もある。 

C1 海外 III 日本 N/A

・CQ3-22 消化酵素薬に胃酸分泌抑制薬の併用は有効か? 

膵外分泌機能障害による明らかな脂肪便を伴う症例では、消化酵素薬に胃酸分泌抑制薬の併用が有効である。 C1 海外 IV b 日本 IV b

・CQ3-23 脂溶性ビタミン薬は慢性膵炎治療に有効か? 

慢性膵炎の病期・病態・消化吸収障害の程度・栄養状態に応じて、脂溶性ビタミン薬の投与を考慮する必要性がある。 C1 海外 IV b 日本 IV b

消化吸収障害を伴う慢性膵炎治療に際しては、脂溶性ビタミン薬投与前に十分量の消化酵素薬治療を行う C1 海外 IV b 日本 IV b

・CQ3-24 膵性糖尿病治療における適正カロリーと食事内容をどのように決定するか?

膵性糖尿病患者においては、消化吸収障害の程度、膵性糖尿病の程度および栄養状態を正確に評価し治療する必要がある。消化吸収障害に対しては十分量の消化酵素薬の投与を行う 栄養状態評価C1 消化酵素薬の投与B 海外N/A 日本 VI

非代償期の慢性膵炎において栄養障害や低栄養を伴うことが多いため十分なカロリーを摂取するように、過度な脂肪制限も避ける。 C1 海外N/A 日本 VI

・CQ3-25 経口血糖降下薬は膵性糖尿病薬に有効か? 

膵性糖尿病に対する経口血糖降下薬の有効性に関するエビデンスはないが、症例によっては効果を示すこともある。 C1 海外 N/A 日本 IV a

・CQ3-26 膵性糖尿病におけるインスリン治療開始の指標は何か?

著名な高血糖による糖毒性の解除や、食事療法運動療法経口血糖降下療法では良好な血糖コントロールが得られない場合に開始する。 A 海外 N/A 日本 I

膵性糖尿病のインスリン治療の際は、十分量の膵消化酵素薬を投与した上でインスリン量を決定することが望ましい。 C1 海外 N/A 日本 V

・CQ3-27 膵性糖尿病の治療にはどのような血糖コントロールを目標とすべきか? 

糖尿病性血管障害の予防のため。良好な血糖コントロールの維持が重要である。 

B 海外 N/A 日本 IV a

・CQ3-28 慢性膵炎における糖尿病慢性合併症の診断と治療をどのようにすべきか? 

通常型糖尿病の合併症を診断する場合と同様に、合併症を評価することは有用である。 

B 海外 IV b 日本 IV b

慢性膵炎に伴う糖尿病のインスリン治療時には低血糖を高頻度にきたすため少量インスリンの頻回投与が望ましい C1 海外N/A 日本 IV b

・C3-29 絶飲食/中心静脈栄養/蛋白分解酵素阻害薬は慢性膵炎の炎症性(仮性)膵嚢胞の治療に有効か? 

炎症反応がみられる急性期の炎症性(仮性)膵嚢胞に対する早期からの中心静脈栄養管理の有用性を支持する根拠は乏しい C2 海外 II 日本 N/A

蛋白分解酵素阻害薬の投与は合併症を低下させる可能性がある。 C1 海外 IV b 日本 N/A

・C3-30 酢酸オクトレオチドは慢性膵炎の炎症性(仮性)膵嚢胞の治療に有効か? 

有効性を支持する根拠が不十分である。 C2 海外 II 日本 V (日本は保険適用無)

・CQ3-31 内視鏡的または経皮的ドレナージは慢性膵炎の炎症性(仮性)膵嚢胞の治療に有効か? 

試みてよい治療法である。 C1 海外 V 日本 N/A

内視鏡的経膵管嚢胞ドレナージの有効性に関しては今後エビデンスの集積が必要である。 C1 海外 V 日本 N/A

経皮的ドレナージは嚢胞と膵管と交通を評価し施行する。 C1 海外 V 日本 N/A

・CQ3-32 慢性膵炎の炎症性(仮性)膵嚢胞に対して外科手術は必要か?

内視鏡的ドレナージや経皮的ドレナージにより消失しない炎症性(仮性)膵嚢胞に対しては外科手術が適応となる。 B 海外 V 日本 N/A

外科手術にあたっては低侵襲性を考慮し腹腔鏡手術も選択肢となる

C1 海外 V 日本V

・CQ3-33 内視鏡的/経皮的ドレナージは慢性膵炎に合併した膵膿瘍の治療に有効か? 

感染による膵膿瘍に対しても試みられる B 海外 V 日本 N/A

内視鏡的ドレナージが行えない場合には全身状態の改善を目的に経皮的ドレナージを行う B 海外 V 日本 N/A

・CQ3-34 慢性膵炎の膵膿瘍に対して外科手術は必要か?

内視鏡的ドレナージや経皮的ドレナージによる炎症性膵嚢胞内の膿瘍管理が不十分な際には外科手術によるドレナージを行う。 B 海外 V 日本 N/A

・CQ3-35 IPF(膵性胸腹水)に対する適切な治療法は何か? 

発症後2-3週間は保存的治療法を選択し、無効例・増悪例・出血などの合併症例に対して手術療法を行う。 B 海外 V 日本 V

酢酸オクトレオチド投与は有効とする報告はあるが、投与する際は十分に症例を選定する必要がある。 C1 海外 IV b 日本 N/A

内視鏡的膵管ステント挿入は有効とする報告はあるが、適応には十分な配慮が必要である。 C1 海外 V 日本 N/A

・CQ3-36 慢性膵炎に伴う胆道狭窄に対する適切な治療法は何か? 

初期治療としてプラスチックステント挿入が推奨される。 B 海外 IV b 日本 V

金属ステント挿入の長期的有効性は明らかではなく推奨されない。 C2 海外 IV b 日本 V

内視鏡的治療無効例に対しては胆管空腸吻合などの手術療法を行う B 海外 V  日本V

・CQ3-37 Hemosuccus pancreaticusに有効な治療法は何か? 

第一選択は動脈瘤塞栓術である。 B 海外 V 日本 V

動脈瘤塞栓術不能例・非奏功例に対して動脈瘤切除術・膵切除術などの手術療法を行う B 海外 V 日本 V

[ 2009/10/29 14:57 ] 膵炎 慢性膵炎 | TB(0) | CM(0)



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